【今回の記事】
虐待につながる子育て 母親の汚い言葉づかいが関係?

【記事の概要】
 県家庭児童相談室連絡協議会の研修会が開かれた。子どもの虹情報研修センター(横浜市)の中垣真通研修課長が、「親子の笑顔を増やす支援」と題し、虐待につながる子育ての現状を話した。
講師の中垣さんは、元県職員で、日本臨床心理士会に所属している。
   中垣さんは、最近の母親の言葉が汚いことを指摘。「『おまえ、これやれよ』『てめえ、このやろう』と言って、子どもを押さえ付けるやり取りが見られる。自分に不安があるため、相手を支配しようとする虐待だ」と強調した。
   また虐待が及ぼす影響として「自分が苦しんでいる時に周囲が喜んでいるような環境で育つと、相手が困っていると『うれしい』というゆがんだ性格になる」と話した。

【感想】
   親の言葉遣いが子どもに与える影響については、以前に以下の投稿でも述べてきた。
「『ふざけんじゃねぇ』『殺○るものなら○してみろ』 〜子どもたちのヤクザのような言葉遣い〜

「乱暴な言葉遣い」というと、母親よりも父親という先入観があるが、どうもそうではないらしい。上記の中垣氏によれば、「最近の母親の言葉が汚い」ということであるから、その言葉通り、“最近”の傾向ということなのだろう。
   さて、実は子どもにとっては、乱暴な言葉を父親から浴びせられるよりも、母親から浴びせられる方がダメージは大きいと考えられる。本来子どもの躾役という「父性」の持ち主である父親からは、躾の一環として多少きつい言葉を受けることはある程度覚悟しているとは思うが、それが母親となると話は違ってくる。なぜなら、本来母親は子どもにとっての「安全基地」であるからであり、「子どもの受容」という役目を持つ「母性」の持ち主であるからである。躾役の父親から叱られた後に受容してくれるはずの「安全基地」が、「おまえ、これやれよ」「てめえ、このやろう」と罵倒される「危険基地」になってしまうのである。中垣氏は「(母親が)自分に不安があるため、相手を支配しようとする虐待だ」と強調しているが、「安全基地」を失ったうえに、その「安全基地」から虐待という攻撃を受ける子どもは、一体どこに逃げ込めばいいのだろうか?逃げ込む場所もストレスを癒す場所も失った子どもの精神状態は尋常な状態ではなくなる。そのうち子どもが中学、高校になり、体も力も母親が叶わなくなった時に、必ず子どもから「特に荒れた第二反抗期」「家庭内暴力」「引きこもり」という仕返しを受けることになる。そうなった時ではもはや手遅れなのである。以下の投稿は、いつも攻撃をしてきた母親に対して子どもが仕返しをした事例である。
口うるさい親”に対して子どもが抱いた“殺意

   お母さん方には、母親が果たすべき役割を今一度正しく認識して頂きたいと思う。