(1)乳幼児が特定の玩具に興味を持つよう強制する。親は、乳幼児が特定の玩具に興味を持つよう、玩具をかざして注意を引きつけようとし、使い方を見せ、名前や仕組みを教えてやろうと一生懸命です。 (2)乳幼児に遊びを導かせる。親は、乳幼児の様子を注意深く見守ります。そして、乳幼児が興味を示すものに対し、興味を広げるよう働きかけます。 結果、(1)の「乳幼児が特定の玩具に興味を持つよう強制する」親のグループでは、乳幼児の目線は、親の肩越しや天井にばかり注がれ、特定の玩具に興味を示すことがほとんどなかったといいます。一方、(2)の「乳幼児に遊びを導かせる」親のグループでは、乳幼児は特定の玩具により長い間視線を注ぎ、強い興味を持続させたといいます。 つまり、大人が「あれをさせたい!」「これを教えなければ!」と一生懸命になるほど、子どもは興味を失い、好奇心も萎えてしまうというわけです。子どもの興味を持続させるには、大人の興味よりも、本人の興味を優先し、働きかけていく必要があります。
【感想】 記事によると、「大人が『あれをさせたい!』『これを教えなければ!』と一生懸命になるほど、子どもは興味を失い、好奇心も萎えてしまう」。一方で、「子どもの興味を持続させるには、大人の興味よりも、本人の興味を優先し、(親は乳幼児の様子を注意深く見守りながら)働きかけていく必要がある」と結論づけた。
この記事の結果は、乳幼児に限ったことではない。以前、以下のような記事を投稿したが、その内容と共通する面がある。 「こんな親が子どもを追い詰めて不幸にする 〜親の期待に悩み苦しむ子ども達〜」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12214246472.html?frm_id=v.jpameblo&device_id=8e57e0d77be746968fd7308a6a625313)
子どもが進学する高校や大学についても、親が自分と同じレベルの道を子どもに歩ませようと一生懸命になっている家庭は多い。今回の記事のように乳幼児の場合は、活動範囲が狭いために、親は子どもの様子を観察し子どもの気持ちを尊重することができるが、学校に通いだしてからは、子どもの話をよく聞き子どもの気持ちを尊重するということになるだろう。しかし、両者に共通していることは、「親の押し付けでは、子どもは意欲を示さない」ということである。たとえ、子どもが何も文句も言わず親の言う通りにしているように見えても、子どもは納得して取り組んでいるわけではない。それは更に、親が「あれをさせたい!」「これを教えなければ!」と一生懸命になるほど、不満とストレスとなって膨らんでいくのである。その時その親からは「(自分の言う通りに)させようオーラ」が強く発せられていることを、以前に以下の投稿で述べてきた。 「子どもの『反発スイッチ』をONにしてしまう親の「オーラ」」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12168536374.html)
つまり、親のきつい目、怒った表情、攻撃的な口調等が、子どもの感覚を必要以上に刺激することで、親に対する反発心を生むのである。どうしても、子どもの進もうとしている道を軌道修正しなければならない時は、以下の投稿で述べた「セロトニン5(ファイブ)」で冷静に穏やかに接しなければならない。 「全ての子どもの気持ちを安定させるスーパー支援法『セロトニン5』②」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12175965135.html)
自閉症スペクトラム(ASD)の傾向が強い子どもに「注意」する時は、「優しく教える」イメージがベストであるが、以下の投稿で述べた通り、誰もが大なり小なりASDの傾向を持っているのだから、上記の「冷静に穏やかに」という接し方は、まさにどの子どもにも当てはまるものなのである。 「あなたも私も“自閉症スペクトラム” その3」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12171281341.html)
なお、知的好奇心を高めるうえでは、乳幼児期の愛着形成も大きなカギを握っている。そのことは、以下の投稿で述べてあるので、参照いただきたい。 「愛着の話 No.3 〜お母さんという「安全基地」〜」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12209833518.html?frm_id=v.jpameblo&device_id=8e57e0d77be746968fd7308a6a625313)