【今回の記事】

ダウン症のある人「幸せに思う」90%以上


【記事の概要】
   今月5日、東京・文京区でダウン症のある人の教育や就労、福祉環境について考えるシンポジウムが行われた。その中で、発表されたのは、厚生労働省の研究班が去年行った、ダウン症のある人たちを対象にした、初の大規模アンケートの結果だ。
(1)「毎日幸せに思うことが多い?
はい…71.4%
ほとんどそう…20.4% 
※「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人を合わせると、90%以上にのぼる
(2)「仕事をしていて、満足な気持ちがありますか?
はい…66.0%
ほとんどそう…21.7% 
※こちらも、「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人はあわせて90%近くにのぼった

   今回の(シンポジウムの)ポイントは「個性を認めあう社会に」。人間、誰しも染色体や遺伝子レベルでは、完璧ではなく、何か欠けていることがわかってきている。それこそが、人、それぞれの個性だと考えたほうがいいのではないだろうか。1人1人の個性を認め合える社会になることが望まれる。

【感想】
   障害とは悪ではなく個性である。この記事は、その事を教えてくれる。「幸せ感が高い」、これがダウン症の個性である。自閉症スペクトラムの個性は「正義感が強く素直」。そして、以前、以下のように投稿したように注意欠陥多動性障害(ADHD)の個性は「活動エネルギーの高さ」である。
母親が信じ育て上げたADHDマイケル・フェルプスのオリンピック史上初の4連覇!

特にダウン症の子どもはいつも笑顔を絶やさず、とでも人なつこい。接していると、「子どもというのは、こんなにも愛らしいものなのか!」と感じるほど、とても可愛らしい。

   さらに、この記事の中の「人間、誰しも染色体や遺伝子レベルでは、完璧ではなく、何か欠けていることがわかってきている」という指摘が秀逸である。以前、以下のように投稿した私の考えを補完してくれている。
あなたも私も“自閉症スペクトラム” その3
   ということは、誰も「あの人は変わっている」とか「あの人は心が弱い」等とは言うことはできない。なぜなら、その人自身も何かが欠けているからだ。

   以前、私が勤務する学校の子どもから、こんな質問をされた。
「先生、障害って悪いものですか?」
実は、この子には、知的な遅れのある重度の自閉症の妹がいた。その子は、普段、感覚過敏から来るストレスによって、周りの人や自分の腕を噛むことが多かった。その子はその姉として、その子なりに障害と向き合っていたのだろう。
私は、その子に迷わずこう答えた。
「障害というのは、悪いものなんかじゃない、人間が一人ひとり違うように、障害もその人の『個性』だと思いますよ。」
すると、その子は「ありがとうございます」と言い、ニッコリ笑っていた。
    実は、その妹さんのことは、このブログでも以下のように紹介していた。障害を持つ人にとっては、自分が置かれた環境が自分に合わないと、時に人に迷惑をかけてしまうこともある。しかし、環境さえ整えば、まるで魔法のように自ら心を落ち着かせることができるのである。
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