【今回の記事】
部活中の熱中症死亡「不適切指導」 無給水でランニング

   記事によると、奈良県生駒市立大瀬中で8月16日朝、ハンドボール部の1年の男子生徒(12)が35分のランニング後に倒れ、病院で翌日、熱中症による腎不全で亡くなった。市教委は、大瀬中が26日に出した調査報告書で「ランニング中に水分をとらせなかった」「通常は30分間なのに、5分長く走らせた」指導について不適切と判断したという。
 顧問は3人で、中心になって指導してきた教師が練習試合に同行したため、別の教師と交代。その際、30分走る時は15分で給水という指導方法が引き継がれなかった。また、スタートが通常より5分遅く、生徒らが25分で走るのをやめたのを教師が「ごまかした」と判断。30分走った後、さらに5分走らせたという。

   問題の所在は、30分走る時は15分で給水という指導方法が引き継がれなかったということであるようだ。しかし、厳しい言い方になるかもしれないが、これはある意味、生徒達にも非があると感じる。それは、いつもは15分で給水していたという事を自分たちから臨時の先生に伝えることができなかったからだ。小学校でも、ある先生が休んだ日には代わりの先生が指導に行くが、やり方がいつもと違う時は、子供たちが教えてくれる。臨時の先生がよほど怖い先生だったならば別だが、中学生達がその意思伝達ができなかったというのは残念である。
   私は、課外の吹奏楽部の指導をしていたが、合奏中に、分からないことを自分から手を挙げて質問できた子どもを褒めていた。そのため、子供たちは恥ずかしがらず自ら発言するようになった。    仮に、その時にはそういう人間関係がなかったとしても、給水の時刻を自分たちから先生に名乗り出るくらいの“交流力”は欲しかった。(もちろん、亡くなられた生徒さんに限っては例外である)キャリア教育の「人間関係形成能力」と「意思決定能力」が育まれていなかったことの表れである。