【今回の記事】

【レスリング】沙保里の母・幸代さん「霊長類最強と言われていても私のかわいい娘」


   日本中から「霊長類最強」と絶賛されてきたレスリングの吉田沙保里選手が銀メダルに終わった。
   試合後、吉田選手のお母さんがこうおっしゃっていた。

「『霊長類最強』と言われていても、私のかわいい娘ですので人間です。負けが来る時は必ずある。本当によく頑張って素晴らしいことをしてくれた

「『霊長類最強』の吉田は負けない」という世間からのプレッシャーを受ける娘の苦しさを一番分かっていたのはやはり母親であった。

決勝戦終了後、吉田選手がまっすぐに母親のところに行き、母親の胸で子どものように泣きじゃくっている姿を見て、やはり、たとえ最強といわれるアスリートにとっても、母親は自分と「愛の絆」で結ばれたかけがえのない「安全基地」なのだと感じた。
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  吉田選手はご存知の通り、国民栄誉賞も受賞した、いわゆる「人格者」である。周囲からも信頼され、とても精神的にバランスのとれた人間である。間違いなく、精神科医の岡田氏が言うところの「安定型」の愛着スタイルを持つ人間である。 「不安定型」の愛着スタイルを持つ人間は、自分のストレスから起因する苦しみを癒す「安全基地」を持たないが、「安定型」の愛着スタイルを持つ人間は安定した「安全基地」を持っている。だからこそ吉田選手も、今回のような心に傷を負うような経験をすると、その「安全基地」に駆け寄って涙を流し心を癒し、そして立ち直ることができる。だからこそ、個人戦の連勝記録を206まで続ける事もできたのだ。
   彼女のような、すばらしい人間を見ていると、いかに乳児期の頃から愛情たっぷり注いで育てることが大切であるかということを痛感する。吉田沙保里というすばらしい人間は、彼女に愛情を注ぎ育てた両親の賜物なのである。

   なお、今回の投稿の中では、「愛着」形成についての考え方が随所に登場している。これらの考え方については、前回のブログ「人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12166236151.html)をご参照頂きたい。