女子バドミントンダブルスで高松ペアが金メダルを取った翌朝、あるテレビ番組を見ていたら、「後輩である松友選手が、先輩の高橋選手に対していつも敬語を使って会話をしている」ということが話題になった。
   確かに試合後のインタビューでも、松友選手は「今まで二人で一緒にずっとやってきて、まさかその夢が叶うと思いませんでした。先輩と一緒でなければここまで来る事はできなかったと思います。(高橋のほうに目をやり)本当にありがとうございました。」と先輩の高橋に対する感謝の気持ちを伝えていた。
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   昔から「親しき仲にも礼儀あり」 と言う諺があるが、礼儀正しさこそ強さの秘密ではないかと思う。何故かと言えば、チームプレイの基本は「仲間を尊重する」ということであり、その面で言えば、松友選手が常に高橋選手に対する敬意を持っている、という事は先輩という仲間を“尊重”しているという事である。逆に高橋選手の立場からしても、後輩の松友選手が自分を尊重してくれていると言う思いは、自分が大切にされているという安心感につながるとともに、「自分を尊重してくれている松友選手を大切にしたい」という思いが生まれるのではないかと思う。
友達みたいに仲が良い」ということもチームの長所となる場合もあると思うが、ややもすると、緊張感が薄れてしまったり馴れ馴れしい言動によって、パートナーを傷つけてしまったりする場合も考えられる。特にそれが、目下の人間が目上の人間に対してとった言動だった場合、先輩からすると「後輩から馬鹿にされた」と言う不信感を生んでしまうことにもなりかねない。
   一般の会社でも、年下の人間が、年上の方の上司である場合が多々あると思う。そのような時でも、たとえ、立場上は自分の方が上であったとしても、目上の方に対する礼儀を忘れないことは、その両者の間の信頼関係を維持することにつながるはずである。
   互いに互いを尊重し合うペアは、両者の信頼感関係によって強く結ばれているペアと言えるのではないだろうか。改めて、松友ペアから「仲間を尊重する」ことの大切さを教えられた。

   前回このブログで、相手の国の選手を馬鹿にする観客や選手たちについて投稿し、その中でも「他者を尊重する」ということの大切さについて述べた。(「リオ 他国の選手を侮辱する観客や選手たち 〜“相手を敬う心”を育てる教育力の不足〜
   このように考えてくると、「他者を尊重する」という認識が、人間同士が常に関わり合いながら生活をしている社会を円滑にするために必要不可欠な“潤滑油”のような役割を果たしているのではないかと思われてくる。