このブログでは、リオデジャネイロオリンピックの中で気がついた「礼儀正しさ」や「他者を尊重する気持ち」など度々取り上げてきた。

「礼儀正しさ」と言う面では、今回銅メダルに輝いた女子バドミントンシングルの奥原希望選手が印象に残っている。
   それは、コートに入る時コートから出る時にする「礼」の仕方である。場面場面で礼をする選手はたくさんいるが、大抵の場合形だけいい加減にしている場合が多い。しかし奥原選手の場合は違う。深々と丁寧に下げられた頭は一度その動きが止まるのだ。コートに対して、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」という礼儀正しい挨拶の表れである。その心のこもった姿は、実に日本人らしく美しい。子供たちはぜひ奥原選手のこのような姿を見習って欲しい。
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   この「礼」について考えるときに、いつも思い出す子どもがいる。それは、私が5年前に担任した知的障害を伴う自閉症の男の子のことである。当時6年生だったその子に正しい礼の仕方を教えたところ、言われた通りにきちんと覚え(これが自閉症の良さ!)、両手の指をぴんと伸ばして両足につけ、両足をぴたっと揃えて、まるで奥原選手のように頭を深々と下げる子供だった。あの美しい礼の姿は、今でも昨日の事のように覚えている。