【今回の記事】
母親になって1ヶ月

男性の育児休業取得率 去年は過去最高も3%未満


   障害者施設殺傷事件を起こした植松容疑者は、愛着対象を失い、その代わりに脱法ハーブや大麻に手を出すことになった。あの事件は「脱愛着(人と人との心の絆が消失すること)」社会が生み出した産物である。

   さて、植松容疑者の言動からわかるように、「第二の遺伝子」と呼ばれ人の人格形成に一生影響与えるとされる“愛着(愛の絆)”。この愛着を形成をするためにはいくつかのポイントがある。それは、
・0歳から1歳半の間に母親が赤ん坊のすぐそばにいて世話をすること
・母親が赤ん坊を笑顔で抱っこしてあげること
である。
   しかし母親1人の力では、この2つを両立することはとても難しい。その事は、上の「母親になって1ヶ月」の記事を読んでいただければ分かっていただけると思う。育児とは本当に大変な仕事である、ということを教えてくれる記事である。
   しかし、母親だけでは、炊事、掃除、洗濯も全部1人でこなさなければならないため、いつも赤ん坊のそばにいる事はできない。例えば赤ん坊がおしっこをして泣いているときに、母親がどうしても手を離せない家事をしていたときには、すぐには赤ん坊の所に駆けつけることは出来ない。時間が経てば経つほど、赤ん坊は「お母さん、いつになったら来てくれるの?!」と不信感を抱き始める。やがて、赤ん坊の母親に対する“信頼”は薄れていき、愛着は形成される確率は低くなると専門家は指摘する。なぜならば、愛着とは、「この人こそ、いつも自分の世話をしてくれる“信頼”できる大人である」という赤ん坊の認識があって初めて形成されるものだからである。
   また、様々な家事と赤ん坊の育児に振り回されている母親は、精神的に余裕を失い笑顔で赤ん坊に接することができなくなる。母親の笑顔見れない子供は、母親が自分に対して好意を抱いていないと認識し、これも愛着が形成されない要因となる。
   だからこそ、父親の協力が不可欠なのであるが、男性の育児休業の取得率が3%にも満たない今の現状では、まともな愛着を形成できる子供はますます少なくなっていくであろう。
   ぜひとも男性にも育児休業をとっていただき、母親が赤ん坊のすぐ近くに入れるように、炊事、洗濯、掃除など、様々な家事をがんばっていただきたい。その父親の様子を見ている母親は、父親の協力姿勢に“夫の愛”を感じるであろうし、精神的にも余裕が生まれ、素敵な笑顔で赤ん坊の養育に当たることができるであろう。