今回は、はじめに自閉症教育の一端をご紹介します。
   自閉症の子は想像力が足りないので、「……してはいけません」と言う指示では行動することができません。なぜならば、そこには「では、どうすればいいのか」とい具体的な行動目標がないからです。ですから、「遅刻をしてはいけません」ではなくて「◯時◯分までに学校にい来ましょう」と言う指示が必要になります。

   さて、ここから本論の「ポケモンGO」の話に移ります。
   今、メディアでは、「ポケモンGO」に関する注意点を盛んに呼びかけています。しかし、その多くは「歩きスマホはいけません」「入ってはいけないところには入りません」という禁止文句がほとんどのように思われます。しかし、それでは行動の解決に至ません。なぜならそこには具体的な行動目標が示されていないからです。ですから私は、昨日自分自身で「ポケモンGO」をしてみての注意点をブログに投稿しました。そこでは、より具体的な行動目標が示せるような記述をしたつもりです。詳しくは、本ブログ「『ポケモンGO』やってみての感想 〜一言で言うとかなり危険!〜」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12183156740.html)をご参照ください。

   つまり、冒頭に紹介した自閉症の子供に対する配慮と、「ポケモンGO」をプレイする人たちに対する配慮と同じなのです。それは、私たちすべての人間が自閉症の傾向を大なり小なり持っているからです。以前もブログでお話ししましたが、自閉症教育こそがユニバーサルデザインによる指導方法であるということがこのことからも分かります。
   あるテレビで聞いたのですが、家事を手伝ってくれない旦那さんに対して、奥さんがいくら「漫画ばっかり読んでないで手伝って」といっても旦那さんはの行動に変化は起きなかったそうです。しかし、「お皿を洗ってちょうだい」と具体的にお願いしたところ、旦那さんはすぐに行動を開始したそうです。やはり具体的であるということは大事なのですね。

   最後に、どんな遊びの場合もそうですが、「『ポケモンGO』は危ないからだめ」と、禁止ばかり押し付けていると、子供は親の目を盗んで禁止された遊びをするようになります。
   これは実例ですが、ある家庭で子供がゲームばかりしているので、親がそのゲーム機を捨ててしまったそうです。するとその子は、黙って親の財布からお金を盗み取りゲーム機を買っていたそうです。
   禁止するばかりではなくて、正しい使い方をきちんと具体的に教えてあげて、上手にその遊びと付き合うことができる子供に育てたいものです。