参院選が終わった。
   その結果についての民放のテレビ報道を聞いていたところ、神奈川選挙区から立候補した三原じゅん子氏の遊説ぶりについて、「三原じゅん子は目で殺す」という民放らしい独特な謳い文句で形容していた。「何のことだろう?」と思って見ていたら、何のことはない、三原氏は、“有権者と握手をする時に相手の目をしっかり見る”ということをしていたということだった。しかし、そんな謳い文句が幅をきかせることができるのは、他の候補者がそれだけ相手の目をしっかり見ていないということの裏返しである。当たり前のことを当たり前にした三原氏の勝利とでも言うべきか。だからこそ、三原氏からしっかり見つめられた有権者は、「好きになっちゃった」という感想を漏らすのである。
   “相手の目をしっかり見る”、これはいわゆるアイコンタクト。今や、家庭のリビングでさえ、それぞれがそれぞれのメディアやモバイルに目を奪われ、互いに視線を合わせることが少なくなってきた。
   私も教師生活の晩年、特別支援教育担当として、「『朝の会』の出席確認の時に、一人ひとりと目を合わせることが大切です」と、校内の先生方に呼びかけてきた。“見て微笑む”、これが相手との心の絆をつくる第一歩である。