http://www.fnn-news.com/sp/news/headlines/articles/CONN00328526.html

   錦鯉を刺して逮捕された16歳の無職の少年など3人。これまでも小動物に危害を加える若者のニュースが事あるごとに話題になってきた。
   実は、自分より弱い生き物へ危害を加えるこの行為は愛着(幼い頃に結ばれる母親との"愛の絆")が不安定だった人間に見られる行為である。普通は幼稚園から小学生くらいで現れることが多いが、今回の事例の場合は、それだけ精神年齢が幼かったのかも知れない。
   実は、1997年に起きたあの神戸連続児童殺傷事件で逮捕された当時14歳の中学生A男(別名『酒鬼薔薇聖斗』)も、同じような症状を見せていた。ミミズやカエルから始まり鳩やネコの解剖まで行った。
   この少年Aは、父親は会社員、母親は専業主婦というごく普通の家庭に、その感情を待ち望まれて生まれている。しかし、母親は、躾に大変厳しく、授乳も自立を早めようと10ヶ月で止めた。以後に行われた裁判の判決文でも、「一歳までの母子一体の関係の時期が、少年に最低限の満足を与えていなかった疑いがある」とされている。時にヒステリックな程に少年を厳しく叱りつけることもあった。そのため、少年は精神的に不安定になり、母親は精神科の医者から「躾が厳しすぎる」と指導を受けた。このような養育によって、少年は明らかに安定した「安全基地を」持てなかったと思われる。そのため、次から次と溜められるストレスを小動物にぶつけたのだろう。それがエスカレートし、あのような残虐な殺人事件に発展したのである。つまり、この事件は、ごく普通の家庭の中で、厳し過ぎる母親によって引き起こされた愛着不全がきっかけとなって起きた事件だったのである。やはり、「臨界期」と言われる0歳から1歳半は母親の愛情をたっぷりと注ぐ必要があるのである。
   "厳しすぎる躾"や"熱心すぎる子育て"は、子どもの愛着形成にとって悪なのである。

   なお、愛着形成の基本的な考え方については、本ブログの「人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ」(http://s.ameblo.jp/stc408tokubetusien/entry-12166236151.html)を参照ください。