以前、以下のブログで、「愛着は第二の遺伝子」と呼ばれ、乳幼児期の養育が一生の人格形成に影響を及ぼすということを紹介しました。
人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ(修正最新版)

   では、なぜ、たかだか乳幼児期の養育が一生の人格形成に影響を及ぼすのでしょうか。精神科医の岡田氏によると、例えば、お腹が空いた赤ちゃんがいくら泣いても親が世話をしなかった場合、赤ちゃんは「これ以上泣き続けてエネルギーを使い果たしてしまう事は自分の死につながる」と本能的に察知するそうです。その結果、赤ちゃんは、「生きていくためには、人を当てにしてはいけない」と認識することによって環境に適応すると考えられます。「生きて子孫を残す」という本能から生み出したこの環境への適応意識は、その人間の脳に刻み込まれ、その人を一生左右することになるのではないでしょうか。このような養育を受けた子どもは、大人になった時に、人との接触を避けがちな「回避型」の愛着スタイルを持つ人間に成長します。すると、知人集団の中から孤立したり、結婚を避けたり、結婚してもすぐに離婚したりする場合が出てきます。最悪、社会の中から孤立した感覚に襲われ、他者に危害を加えたり逆に自殺したりする危険もあります。