ステイ ブルー
6:30にいつも目覚める。
目覚ましをかける必要は無い。
体が勝手におきてしまう。
乗り気じゃない体を起こし、誰もいないリビングで朝食をとる。
授業の予習はいつもしていない。
いつも同じクラスの松野に写してもらっている。
練習着に着替え、いつもの学校のサッカーグランドまで自転車を飛ばす!
ここから僕のスイッチが入る。
いつも朝の自主練習に来るのは俺と、速水だけだ。
たまにやる気を起こしたやつもぞろぞろやってくるときもあるのだが、いつも毎日顔をだすのはこの二人だ。
速水は僕らのクラブのキャプテンだ。
ユースの誘いを全て断り、なぜかこの進学校にやってきた。
家から一番近く、速水自身サッカーバカではなかったからだ。
いつも1時間くらい汗を流している。
高校二年生の僕たちにとって、やっと進路=大学というものが現実味を帯びてきた蒸し暑い夏である。
1年の時の成績で優と劣、また自身の決定で、文理選択をする。
僕は文字を読むのが嫌いなので理系を選択した。
そしてなぜか優のクラスになってしまったのだ。
「なんでおまえが7組にいるんだよ?」
そう何回も言われた。
定期テストはもちろんボロボロの成績である。
でも学校外で行う模擬試験たるものが学校の中でも上位にランクしていたからという理由しか僕が7組に入った理由が思いつかなかった。
夏の朝連はなかなか汗が引かない。
消臭スプレーを全身にふりかけ、1時間目の授業に出る・・・・気であったが、一時間目が古典のクソゴリラの授業だったため、部室でサボろうと思ったのだが、部室ではもう3回くらい教頭に拘束された場所であるため、一路学校を抜け出し、速水と一緒に近くのコンビニで立ち読みしながら、汗が引くのを待った。
とそこに、
「あっ、デコボココンビじゃん!」
と、8組の川島みやびがやってきた。
「なんでおまえがいるんだよ。」
「昨日のラジオ聞いてたら寝坊しちゃったんだよ。もう化粧もせずに来たのに、電車に一歩乗り遅れてアウトだったよ・・・もう!」
スッピンの顔は化粧をしなくても、普通に可愛い。
みーやんと呼ばれる彼女は女が少ない理系でマドンナ的存在であった。
俺はみーやんと呼ぶのには抵抗がある。
中学のとき学校は違うが一緒の学習塾であった僕らは、高校1年でも一緒のクラスになり、一時は、
「おまえ、川島とどこまでいったんだよ?」
とからかわれた事もしばしばあった。
もちろん彼女を女性として意識したこともあったが、それは中学のときまでだった。
もちろん仲がよかった。
だからからかわれたのだ。
教室を移動するときもなぜか二人で一緒にしゃべりながら移動していた。
となりにいる速水はもう同じクラスの瀬戸潤と付き合っていた。
僕も1年のときは、可愛い女と付き合いたいなあと思っていたのだが、忙しさの中にそれを忘れてしまっていた。
しかも今の7組は男子クラスだ・・・・・・・・
でも男子クラスも悪くは無い。
授業中に僕の大好きな下ネタが言い放題であるからだ。
保健体育の時間なんかもうひどいものである。
「おいっ、これ倉野陽子じゃねー?」
「うわっ、今週のプレイボーイの表紙、こいつか」
倉野陽子とは、僕の好きなグラビアアイドルであった。
「またそんなの見てるのー?」
「あのな、ただでさえ女の少ない理系で、こういう雑誌は目薬なんだよ」
「ふーん」
立ち読みとくだらないしゃべりで、もう30分は過ぎていた。
「さっ、黒ゴマアイス食べて、一時間目出るか!」
「二時間目は数学じゃん、海斗」
僕は数学と化学は好きだった。
とくに化学は小さなころから親父の読んでいたニュートンという雑誌の影響もあったせいか、理系でもトップの成績だった。
「さっ行くか」
「そういえば、海ちゃんは、斉藤さんとどうなってんの?」
「は?」
斉藤沙希・・・・一年の終わりに・・・・いわゆる2月14日にチョコをくれた女である。
お返しの代わりに、一度映画を見に行ってからはメールの交換をするくらいであった。
斉藤と速水の彼女は友達であり、いわば速水が仲介人であった。
「あとで話すよ」と学校へ向かった
あなたにとってのヒーローは?
ヒーロー。小さいころ誰もがあこがれた存在。
誰よりも強く、誰よりもやさしい。
自分の命を捨ててまで、他のものを守る強さ。
幼いころの憧れ。
今誰が僕のヒーローだろう。
あなたのヒーローは誰だろう。
