ALONE/アローンを観に行ったのは、「ローンレンジャー」や「コードネームUNCLE」で主人公の相棒としてのアーミーハマーの出演作品は観てきたのですが単独主演作は1作も観ていなかったからでこれを機にみてみようと思ったためです。

 

 この作品においてアーミーハマー演じる米軍兵士マイクは北アフリカの砂漠でテロリストを狙撃するという任務中に同僚の兵士トミーとともに地雷原に足を踏み入れ、同僚の兵士が踏んだ地雷が爆発し出血多量により死亡し彼はたった一人で砂漠に取り残されることになります。マイクも砂漠の中で地雷原に足を踏み入れ一歩でも動けば爆死する可能性があるためそれを恐れ動くことができない。米軍の支援もなきまま死への恐怖と闘いながら米軍の救助部隊が来るまでの52時間水なし食料なし通信器具なしの極限状態で自らの過去に向き合っていくことになります...

 

 この映画は序盤の任務前後を除き、米軍兵士マイクのほかには原住民ベルベル人の謎めいた男性が時々登場するのみでマイクの一人芝居が基本となっています。物資の不足に加えて砂嵐や狼の襲撃、肉体の疲労や自分の過去の出来事の幻覚に悩まされる描写が中盤~後半と続きます。

 

 ここで効果的に用いられている効果はフラッシュバックです。フラッシュバックは現在のシーンに挿入された過去のシーンもしくはシークエンス(対比されるのがフラッシュフォーワードといい未来を映し出す手法で近年生み出され「M:I:3」などで用いられる)時には「タイタニック」のように全編にわたって用いられます。この映画ではマイクの極限状態の様子を描写する際に彼の幻覚とともに過去の出来事をマイクが思い出し自然現象のみならずそれにも苦しめられるという用い方をされています。

 

 通常の映画であればこのフラッシュバックは意識的に過去を見せ説明するなど、物語の流れを邪魔しがちになったり、多用すると作品によっては「NEXT」のようにフラッシュバック自体が目的化してある部分までの映画の流れを不要なものにしてしまったりと効果的に用いるのはとても難しいのですが本作はうまくまとまっているといえるでしょう。

 

 自らを囲む狼の襲撃への不安にはトミーの幻覚がアメリカに残してきた恋人ジェニーのことを思い出させ、マイクはジェニーの姿を思い出し自ら勇気ずける。極限状態といった状態でも自らの心を極限状態の外に向けていくことを幻想とフラッシュバックを交え描いていることで現実と虚構が入り混じるマイクの体験を見ている私たちも体感することができます。

 

 その2へ続く