https://youtu.be/FEE1_Qv7_z8 


本日、ミュージカル界の重鎮、スティーヴン・ソンドハイム氏(91歳)の訃報に接して思うことが2つあります。

ひとつは、氏も作詞家として参加したという『ウエストサイドストーリー』のスティーヴン・スピルバーグ版の日本公開が約1週間ほど前に来月10日から、来年2月11日に延期されたことです。(北米では12月公開のままのようですが)。こっちはすごく楽しみにしているのでエエッって感じました。


もうひとつは、今週水曜日にUPLINK吉祥寺で鑑賞した『Tick,tick...Boom!』にも、重要な役で(こちらは実話ですが)、ソンドハイム氏が出ておりました。ちなみに、主演のアンドリュー・ガーフィールドは来年のアカデミー賞主演男優賞のノミネートが有力視されているそうです。私も大変感動しました。(こちらはNetflix作品なのでNetflixでも見れます) お勧めします。

https://youtu.be/znsLkRaBlpo 

あるシーンで思わず嗚咽が洩れました。


古田新太の代表作として記憶されるでしょうし、役所広司の『すばらしき世界』と共に、2021年の邦画を代表する必見作だと思います。松坂桃李も『弧狼の血 Level 2』とは真逆というか、振れ幅の大きな役を演じていました。予告編でお分かりのように決して明るいお話ではありませんが、見て良かったと心から思いました。

https://www.youtube.com/watch?v=2Q8h8hJvN4A
「リメンバー・ミー」予告編


3月16日(金)公開 105分 原題:COCO


2017年のアカデミー賞の長編アニメーションと歌曲賞(主題歌賞)の2部門受賞作です。ちなみに「リメンバー・ミー」の作詞作曲でオスカーを受賞したロペス夫妻は、2013年のアカデミー賞歌曲賞の「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」の作詞作曲者です。


同時上映が「アナと雪の女王」の短編なのですが、その内容がクリスマスの話なので、桜の花が咲く今見ると、なんとも間の抜けた感じです。それは本国アメリカでは2017年11月21日(火)<この作品の舞台であるメキシコでは2017年10月27日(金)>なのに、3月16日(金)の公開にした日本の配給会社の責任です。(日本の春のお彼岸の時期に合わせての公開したことはミエミエですが…)


物語の舞台はメキシコで、主人公はミゲルという少年です。そして物語の重要なキーとなっているのは、メキシコの死者の日という風習です。パンフレットに元フジテレビ女子アナの政井マヤ(父親がメキシコ人でメキシコ生まれ)がコラムを書いていますが、ハロウィン(10月31日)の日はメキシコでは死者の日のほうが盛り上がるそうです(実際には1日だけではなく11月2日まで続くようです)。


メキシコの死者の日とは、日本のお盆にとてもよく似た風習です。ご先祖様をお迎えするというものです。お墓から自宅までご先祖様が道に迷わないように明るいオレンジ色で香りも強いマリーゴールドの花びらを敷き詰めるそうです。アメリカ映画に登場するメキシコ人は、人殺しか盗賊かメイドと相場が決まっているが、この映画は違うとニューズウィーク日本版に記述がありました。


私は立川のシネマ2という映画館で極上音響j上映で鑑賞したのですが、すぐ後ろの席に座った女性が後半泣きっぱなしで、上映が終わって明るくなった時、「いい映画だったね。いい映画だったね」と泣きながら2回同伴者に言っていたのが印象j的でした。最後に原題のCOCOとはひいおばあさんの名前です。

 

https://youtu.be/JpJOgGQpe6U
「犬猿」予告編

2月10日公開 103分

おととし公開の超怪作「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督の新作です。主な登場人物は兄と弟、姉と妹の4人ですが、実質的に話の中心は弟と姉です。その中でも姉を演じたお笑いコンビ”ニッチェ”の江上敬子は新人賞ものの演技だったと思いました。藤山直美を思い出させるようなシーンがありました。ストーリー的には、姉妹側の母親の存在を省略し過ぎの部分があるのではと思う所もありましたが、面白かったです。

https://youtu.be/3C61v9ag8Lk
「彼女がその名を知らない鳥たち」予告編


原作は、イヤミス(後味が嫌なミステリー)で有名だという沼田まほかるという女流作家との事です。登場人物には碌な奴がいないのですが、私が一番驚いたのは松坂桃李です。NHKの朝ドラで爽やかな印象の彼とは対極のゲスな男を演じています。


https://youtu.be/uASwl52r7AY
「KUBO 2本の弦の秘密」予告編

 

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「アメリカ人がこの映画を作ったというから二度驚く」というコメントを寄せていますが、その通りだと思います。声優陣も超豪華で、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズなどです。平均で一週間に3.31秒しか制作されないというストップモーションアニメの傑作を是非ご覧いただきたいです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=3rrKkI0OBUA
映画『弁護人』予告編


2016年11月12日(土)公開 2013年製作 韓国


現在、韓国は朴槿恵第18代大統領の不正疑惑で大混乱の様相ですが、本作品のモデルとなったのは、廬武鉉第16代大韓民国大統領その人です。商業高校卒業後一度は就職したものの、退職して、日雇い労働などをしながら、司法試験に合格し判事になります。しかし学閥に嫌気がして、弁護士へ転身、当初は土地の登記、続いて税務弁護士として釜山一の繁盛事務所となりますが、貧乏だった頃にツケで食べさせてもらっていた定食屋(クッパ店)の息子が無実の公安事件(釜林事件と呼ばれているそうです)で逮捕・拘留されたことから、当時の軍事政権(全斗煥政権)への反発を強め、政治に身を投じていくキッカケになった事件と言われているそうです。2013年製作の作品ですが、観客は廬武鉉第16代大韓民国大統領の最期を知っているだけに、やりきれなさを感じます。

https://www.youtube.com/watch?v=v1VXIiDyu3A
(『永い言い訳』予告編 )


またまた、2ヵ月以上のご無沙汰です、その間に見て面白かった映画について少し述べます、


2016年10月14日(金)公開


『ゆれる』(2006年)、『ディア・ドクター』(2009年)、『夢売るふたり』(2012年)の西川美和監督(42)の最新作ですし、ベストワンの作品だと思いました。原作は、山本周五郎賞候補、直木賞候補になったご自身の小説で、西川監督自身が脚本も担当しています。デビュー作である『蛇イチゴ』(2003年)以来、注目している監督ですが、代表作と言ってよいのではにでしょうか。映画では、大人の俳優の本木雅弘や竹原ピストルの演技より、竹原ピストルの子供2人の演技に胸をえぐられる思いがしました。竹原ピストルは、妻が本木の妻役の深津絵里の高校時代からの親友で、2人で行ったスキー旅行でスキーバスの事故により2人とも亡くなってしまったというお話です。

https://www.youtube.com/watch?v=ACgsq3NfeYg
『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』特別映像


7月22日(金)公開 124分 原題;TRUMBO


1940年代後半からハリウッドに吹き荒れた赤狩りの中、仲間を売らずに証言を拒んだため議会侮辱罪で1950年に投獄されてしまいます。翌年出所したもののハリウッドから追放されてしまいます(ハリウッド・テン)。しかし、トランボはくじけずに数多くの偽名を使い分けて映画の脚本を書き続けます。また、時には完成した脚本を友人に売りつけ、取り分をシェアします。そうやって友人名義で製作された映画が『ローマの休日』(1953年)で、アカデミー賞の脚本賞を受賞します。


この作品を見ると、アメリカの愚かしさと共に、その愚かしい過去を堂々と描く懐の深さを感じました。

2ヵ月ぶりの投稿ですこの2ヵ月間に鑑賞して、『これっ、面白かった!』という作品について述べたいと思います。その1本目は『シン・ゴジラ』です.


https://www.youtube.com/watch?v=ysRIwlEBjuw


7月29日(金)公開 120分 


パンフレットの1ページ目に脚本・編集・総監督の庵野秀明の2015年4月1日の製作発表時のコメントが載っています。その中で、2012年12月、エヴァQの公開後、鬱状態となり、翌2013年には自分のスタジオにただの1度も近づくことができなかったと述べています。


その庵野秀明がなぜ今空想特撮映画(怪獣)映画を撮ったのか。東宝からの依頼を一度は断ったものの、東宝の誠意と樋口真嗣監督の熱意に心を動かされたと述べています。そして先達の制作者や過去作品への恩返し、今しか出来ない、今だから出来る、一度きりの挑戦と思い引き受けたと述べています。


本作品もアニメ『君の名は』にも、東日本大震災への鎮魂が見てとれます。なお、取材協力として小池百合子元防衛大臣と枝野幸雄元官房長官の名前がクレジットされています。

 

https://www.youtube.com/watch?v=aIQGRzfxD0o
(『好きにならずにいられない』予告編)


2016年6月18日(土)公開 94分 アイスランド/デンマーク


『メンヘラ』という単語を、この作品を見るまで知りませんでした。『メンヘラ』とは、鬱などのメンタルに問題を抱える人のことのようですが、この作品の主人公が恋した女性がメンヘラなのでした。


空港で荷物係として働くフーシは、43歳で独身でオタクな大男です。母親の恋人に誕生日プレゼントにダンス教室のチケットをプレゼントされます。そのダンス教室で、『帰り道、車で送って』と頼まれて知り合うのが、シェヴンという女性です。切なくも優しい恋の物語ですし、フーシの成長物語でもあります。