獄寒で耳が千切れそうな中、一昨日の29日行ってきましたよ、日本武道館へ。BUCK-TICKのTOUR No.0のファイナル公演、今年4月に高崎の群馬音楽センターで一度観ましたが、さて、どういう深化を遂げているのか、楽しみでした。今回のアルバム『No.0』は特別素晴らしかったので、とうとうファンクラブに入りチケットを獲ったのでした。1階席でとても見やすい武道館ライブでした♪今月、Voの櫻井さんが消化管出血で倒れてしまったので心配でしたが、見事復活されておりました。熱く艶のあるライブコンサートで楽しめました。帰りは寒過ぎて死にましたが、行って良かったです。5月の幕張も行こうと思います。で、この前日と後日はニコニコ動画で有料のBUCK-TICKライブを観ておりました。あと、26日に発売された去年のライブのDVDも購入して観ておりました。BUCK-TICK漬けの年末となっております(笑)年始はオーパのタワレコ高崎か。そうそう、この本はタワレコ限定での発売で、そちらで買いました。BUCK-TICKのドラマー、アニイことヤガミ・トールの自伝です。56歳です。語り下ろしといった趣。一気読みの面白さでしたが、BUCK-TICKファン以外はきっと買わない(笑)とりあえずCDの『No.0』は聞いてみたほうがいいです。イナガキ・タルホです!では、よいお年を!!

No.0 (通常盤)/ビクターエンタテインメント
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蓮喰ひ人の日記/短歌研究社
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御無沙汰しております。読書の秋、芸術の秋いかがお過ごしでしょうか。先週は久々に都内に出掛けて上野で開催されていた『ルーベンス展』『京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ展』『デュシャン展」をハシゴして『Book and bed tokyo』にお泊まりして次の日は神田の古本市を愉しんでまいりました。9月10月は第27回文学フリマ東京に出店するので、その本作りに追われており、完成したので少し気晴らしをしていました。11月25日、東京流通センターにてG-53『星蜘蛛堂』として参加いたします。新作のタイトルは『ムーンワークス』。狂える月の歌70首でございます。どうぞご来店下さいませ。https://bunfree.net/


さて、本書は2011年の異国での歌日記です。今年7月21日に本書の勉強会があり、行ってまいりました。著者の黒瀬氏も来ておりました。副題がイギリス歌日記十三カ月。妊娠している妻とダブリンに入りユリシーズを片手に母国の東日本大震災を遠く受け、やがて子が生まれ父になり、異民族としてイギリスでの生活を組み立てる。7年前の11月10日の歌日記はこんな。


ウェンブリーの大型家具店IKEAで本棚を買ふ。見上げるほど高い倉庫に商品が保管されてゐる。


地震なきゆゑ四段に家具を積む巨人国の底(ブロディンナグ)に児を押してゆく













塚本邦雄全歌集 文庫版〈第1巻〉 (短歌研究文庫)/短歌研究社
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花冷えの中、新宿の紀伊国屋へ出掛けてきた。『文庫版 塚本邦雄全歌集(全八巻)』の刊行記念ということで、トークイベントを予約していた。司会は歌人の黒瀬珂瀾さん、ゲストは歌人の井辻朱美さんと文化人類学者の船曳建夫さんという気になる人選であるし、ちょうどゆまに書房の塚本邦雄全集の一巻(第一歌集の『水葬物語』から第十歌集の『されど遊星』まで)を読み終えていたので、塚本邦雄の勉強によいタイミングだと思えた。高校の教科書で読んだり、歌集のアンソロジーや引用で触れていた程度で、いつか熟読したい歌人ではあった。10代は澁澤龍彦ばかり読んでいたので、たぶんどこかで澁澤も塚本について書いていた気がする。


2時間ほどのイベントであったが、楽しい時間を過ごせた。船曳さんの仮説では、世界のとらえ方には二種類あって、狩猟型と採集型がいる。狩猟型は世界を抽象化してモノにする方法。採集型はその名の通り集めること、コレクトしていく方法。塚本は採集的世界への接し方で世界を集める、好きなモノ、美を集めるという見方で歌の世界を構築している。確かに美的な言葉を組み合わせているようにみえる。初期は華美な鎧にみえる。私の無知ゆえか正直初期の歌はあまり入っていけないのだが、第六歌集の『感幻楽』あたりから好きな歌が増えてきた。次の二首など。


★瀕死の扇風機にゆび入れて死なしめつ夏まだきわが就眠儀式

★いたみもて世界の外に佇つわれと紅き逆睫毛の曼珠沙華


今日のイベントでの最大の収穫は黒瀬さんのレジュメだろうか。塚本邦雄の科学用語を使った歌を抜粋してあり、とても勉強になる。国体や戦争の話も聞けた。今日はイベントに息子さんも来ており、その息子さんから少し話もあった、言葉の魔王と呼ばれているが、日常は凡庸な人であったという。編集者や塚本の結社の方、一緒に海外旅行へ行った方などの話が聞けたが、そういうのは興味ない。個人的には作品だけでいいかな。後期、晩年は、歌も変容して自由連想のようなものも増えていったという。自分は後期のほうが好きな気がするので、これから読むのが楽しみだ。なお、本書には短歌だけでなく俳句も載っている(文庫で2,200円は高い)。