去年の夏祭りは
その2日前に愛犬1号が死んでしまったこともあって
できれば、私の中ではお祭りは「無い」ものとしたかった。
昨年は週末のほとんどをハルオさんの家で過ごしていた私は
ハルオさんには「犬が死んだから週末は出かける気になれない」と伝えた。
そうしたらハルオさんの方から我が家にやって来た。
愛されているのは嬉しいことなのだが
困ったことにハルオさんは
よさこいを「見たい」と言い出した。
「悲しい時は、他のことを考えた方がいいですよ」
私は愛犬が死んだばかりだったから
賑やかな場所には出かけたくなかったけれど
ハルオさんの言葉に負けて、お祭りに出かけてしまったのだった。
お祭りの賑やかさに紛れれば、
少しは悲しみが癒されるのでは
と思ったし
わざわざ私に会いに来たハルオさんを
一人でお祭りに行かせるのが嫌だったし
そんなことよりも、
私が「行かない」と言えば
ハルオさんも「では私も行きません」と言い出すのが
もっと嫌だった。
でもやはり
賑やかさには紛れ込むことは出来なくて
他のことを考えることも出来なくて
結局のところ
私は泣きながら、よさこいを見たのだった。
泣きながらよさこいを見ていた私を
ハルオさんは覚えていないらしい。
自分以外の人間の悲しみなんぞ
自分以外の人間にとって、所詮はそんなもの。
そんなわけで
今年の夏祭りも
よさこいを「見たい」と言うハルオさんに負けて
出かけてしまった。
ただし、通りを練り歩く連が見られる時間帯には
他の用事があったため断念して
平場のステージで踊るよさこいを見た。
やはり、お祭りの踊りは
大通りを列を成して踊っているのを見る方が
いい。
見に行きたくもないのに付き合わされてしまった感ありなので
写真はこのチームのものだけ。
千葉県から遠征して来たチーム。
衣装を2回早変わりする。
暑いだろうなあ。
動画もアップしてみます。
大音量に注意。
当地では、夏の祭りの風物詩の花火も上がる。
当地の花火は
街のど真ん中で上げる。
水辺の全くない平地で上げるのは
全国的には珍しいのだそう。
自治体に予算がないために買い取ることが出来ずに
放置状態となっている国有地の「森」があって
きっとその中に
開墾した平地があるのだろう。
花火はそこから上がる。
打ち上げ場所の近くには
マンションが立ち並び
人混みの中では、花火が見える場所が限られてしまうため
私は毎年
我が家の裏の、ちょっとした高台から見る。
小さな椅子と
缶ビールを片手に
今年は去年と同様にハルオさんと一緒に見た。
あと何回
この花火を見ることが出来るのだろう。
街のど真ん中に上がる花火ではあるが
侮れない。
1万発も上がり
お祭り自体も、昨年は3日間で70万人の人出だそうで
年々、派手になるのは困ったものだ。
たった一人の私の悲しみなぞ
誰にも気付かれることなく
傍にいる愛しい人にも気遣われることはなく
夏祭りは終わり
また、日常が始まる。