台湾と日本の歴史は、今の教科書ではどのように記されているのでしょう?
日清戦争で勝った日本は、1895年から50年間台湾を統治していました。
蛮人を文明化し進歩させる目的で、日本語は国語として現地人に教えられ、
日本名を与えられた人々もたくさんいます。
芝山巖事件や霧社事件など、日本語教育史をひもとくまで殆ど知らない出来事でした。
ましてや台湾の原住民となると、首狩り族という暗いイメージでおおわれています。
この映画はそんな時代背景に起こった霧社事件をもとにしたものです。
第一部は太陽旗、第二部は虹の橋で、合計276分の大長編でした。
けれど、時間感覚が飛んでしまうほどの濃い内容で、見終わった後、2週間が経った今も、
そのときの疑問がさらに大きな疑問符となって迫ってきます。生と死という単純な言葉だけでは
到底表現できない、重みを突き付けられた感じです。
見る前に、台湾の学生にこの映画のことを聞いてみました。
すると、興奮して「セデック・バレは現地語で英雄のことです。この時代、日本人には腹が
立ちました。」という答えが返ってきました。
内容は下記に譲るとして、映画を見ながらずっと頭から離れなかったことを一言記しておきます。
http://www.u-picc.com/seediqbale/
シュタイナーが言うように、祖先の魂と一体化して生きるとは、意識魂の時代には前時代的な
暗い意識の残存とも言えます。けれど、それは自我が他者のために生きることでもあります。
つまり、そこでは濃密な生と神聖な死が同時に牽引しあっています。
だからこそ、セデック・バレは「真の人」を意味するのです。
それにしても、モーナ・ルダオの青年役を演じたダーチンは、その鋭い眼光と身のこなしが
獣のように美しかったです。たちまちファンになりました。