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 今年最初のエッセーは、干支に因んで「犬」をテーマに、と伺った。今回は「うー」のことを書いてみようと思う。
 うーは、家の前でふらふらしているところを保護した犬だ。大きめの中型犬で色は白、すり切れ汚れた胴輪を着けていたがリードはなく、鑑札や迷子札もなかった。最初に警察、その次に保護センターに送られ飼い主を待ったが、迎えがないまま保護期間は満了した。
 保護期間の最終日、私はうーを迎えに行った。飼い主が見つからない場合は自分が引き取ると決めていたからだ。そしてその足で動物病院へ検診に連れて行った。当時、我が家には8歳になる先住犬のぱふがいた。ぱふに病気が伝染しては困る。獣医さんは、うーの歯を診ながら「まだ若いけど1、2歳っていうことはないです。紀州かな」とつぶやいた。そしておもむろに「手島さん、飼うんですか?」と私を見た。「そのつもりです」とこたえると、穏やかに、けれどきっぱりと「やめた方がいいですよ。この子は懐かない」と首を振った。信頼できる獣医さんの忠告だが、今さら見放すわけにはいかない。今日、私が迎えに行かなかったら明日は消える命だったのだ。私には助けた責任がある。「これからは一緒」という意味をこめて、ウィズ(うー)と名付けた。
 あれから12年が経った。今やうーはすっかり甘えん坊のおじいちゃんだ。うたた寝している私に優しく寄り添って眠るうーの写真がある。ぱふが旅立ったばかりの頃の一枚だ。助けられたのはうーじゃなく、私だったのかもしれない。この頃では、そう感じている。