コディーノ | 一歩深く競馬を考えてみるブログ

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血統から見出すコース適性を分析し、尚且つラップ傾向を加味した予想をしています。

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 前回のエピファネイアよりスタートした、クラシック有力馬展望第2弾はコディーノです。
圧倒的人気を背負った朝日杯FSではロゴタイプに足元をすくわれましたが、数少ない重賞2勝馬で、今後も勝ち星を重ねることが出来るのでしょうか。

コディーノ(キングカメハメハ×サンデーサイレンス)

①父は変則2巻馬
父キングカメハメハはNHKマイルC→ダービーの所謂「松国ローテ」で変則2冠を達成し、ダービーでは従来のアイネスフウジンが持つダービーレコードを2秒も更新した。
秋初戦の神戸新聞杯も快勝したが、天皇賞(秋)を前に右前浅屈腱炎を発症し、そのまま引退となった。
2008年より産駒がデビューし、10年・11年と2連連続でリーディングに輝き、サンデーサイレンス系以外では実に16年振りの快挙だった。

②キングカメハメハは大舞台に弱い?
上記の様に優秀な種牡馬成績を残すキングカメハメハだが、クラシックとなると話は変わってくる。
2度リーディングに輝いているが、牡馬クラシック制覇は未だ達成できていない。
キングカメハメハ×サンデーサイレンスという配合は、ローズキングダム・トゥザグローリー・ミッキードリーム・ベルシャザール等がおり、通じて中距離のやや瞬発力寄りのレースに強い。
ローズキングダムは母系が薔薇一族で欧州的スタミナに優れていたため、菊花賞で連対しJCを繰り上がりで勝つことが出来たが、それ以外の馬はスタミナが要求される舞台になれば圧倒的にパフォーマンスを落としている。
また、この配合の特徴として仕上がりが早く3歳から活躍出来るのだが、逆に成長力がないのが課題。

③近親に名マイラー・シンコウラブリイ
母ハッピーパスは京都牝馬Sの勝ち馬で、1400m~1800mの重賞で4度連対しており、優秀なマイラーだった。
また祖母ハッピートレイルズは超優秀な繁殖成績を残しており、マイルCS等重賞を6勝した名マイラー・シンコウラブリイの他、一族で11頭もの重賞連対馬を輩出し、中央での勝ち数は100勝を超えるまさに名門牝系。

○ 結論 ○

キングカメハメハ×サンデーサイレンスとなると、瞬発力寄りのレースには滅法強いが、一定のスタミナが要求されると苦戦する傾向は全馬共通する。
故にトゥザグローリーもスローの有馬記念では好走したが、天皇賞(春)や宝塚記念といったレースでは惨敗している。
コディーノは仕上がりも早く、走法を見てもほぼ完成された感があり、これ以上の成長は見込めそうもない。
似たローテでクラシックに挑んだローズキングダムと比較しても、母系のスタミナ要素が薄く、ローズキングダムより苦戦する可能性が高い。

・皐月賞 判定C

欧州的スタミナの質が要求されるレースで、この配合は致命的。
ローズキングダムも3歳で唯一馬券圏外に敗れており、当馬も同様のはず。
いくら中山中距離で米国血統が走りやすくなっているとはいえ、クラシックではまだまだスタミナ要素が優位と考える。

・ダービー 判定B

ローズキングダムは皐月賞で敗れたが、スローで超瞬発力勝負になったダービーでは2着に巻き返しているように、近年多いスローペースになればチャンスは出る。
往年のような上がりがかかるレースになれば苦戦するだろう。

・菊花賞 判定C

ここ2年はロングスパートになっており、ステイゴールド産駒が連覇している。
その様なペースになれば馬券に絡むのはまず不可能に近く、チャンスが有るとすればローズキングダムが2着した時のように33秒台~34秒台前半の上がりが使えるペースか。


ということで、クラシックでは苦戦するでしょう。
とはいえ、今年は他に目ぼしい馬が少なく、全体的なレベル低下で繰り上がり的な感じで浮上する可能性はあります。
しかし適正という意味では上述した通りで、人気になる馬ということもあり馬券から外すのもおもしろそうだ。
キングカメハメハ産駒は芝中距離からダートの一線級での活躍馬を輩出しオールマイティーな種牡馬だが、その故牡馬クラシックというタイトルは手に出来ていない。
個人的にはビッグタイトルを狙うのであれば、母系に一流のスタミナが必要だと考えているが、コディーノは上述したように牝系はマイラー要素が強く、この条件にマッチしない。
果たしてコディーノがその理論を覆し、父キングカメハメハに初の牡馬クラシックというタイトルをプレゼント出来るのだろうか。