母(飛鳥、七瀬ちゃんって覚えてる?



誰だっけ絶対知ってる



母(西野七瀬ちゃん!

        小さい頃よく遊んでたじゃない〜




ななだ、思い出した ななだ!




なながどうかしたの?



こっちに帰ってくるみたいなのよ



ふぅん








やった!!

ななが帰ってくる!! 







とっても嬉しいはずなのに、窓ガラスに映る私は無表情のまま。







いつだろう 笑顔の作り方を忘れたのは











ななは昔近所に住んでた3歳年上のお姉ちゃん。


お父さんの仕事の都合で小学生の頃大阪に引っ越したんだっけ


あの頃は毎日なんにも考えずにななと遊びまわってたなぁ












物心ついたとき、もうお父さんはいなかった


私が1歳のとき死んだんだってさ。

そんなの全然覚えてないよね 

もう一回、会ってみたいな










いじめのはじまりはいつも些細なこと。


私は父親がいないことで同級生からばかにされ、いじめを受けていた






あれは小学2年生の頃


 (お前、お父さんいないんだろ? 

 (触んないで、菌が感染るからぁ 



飛(お父さんいないからなんだって言うの? 悪い?


 (うるさい、黙れよ。お父さんいないくせに



ちょっと抵抗したら更にひどくなったいじめ。


私を罵る言葉も、お父さんやお母さんを侮辱するような言葉も全部聞こえないふりをした。


そんな無言の抵抗も虚しく、私へのいじめは続いた。







私が抵抗しないことに気づいた同級生たちは、言葉の暴力を超え 手を出してくるようにもなった






泣いたらひどくなる、そう思ってた私は溢れそうになる涙を必死に堪えた。






大人も、高学年のみんなも私へのいじめを見て見ぬ振りしていた



でも、ななは違かった。




あの日も いつものように同級生たちは私を見つけると不気味な笑顔で近づいてきた


あぁ、また痣ができちゃう。


そんなことを考えていたが、新たに痣ができることはなかった




ええ加減にしいや!! 誰や飛鳥を傷つけたのは! ななが許さん!!


突然現れたヒーロー

それがなな。




飛鳥は飛鳥は




途中で泣き出してしまったなな



ななの泣き声で周りの人たちがやっと気づいてくれた。




いじめてた子たちも、聞き慣れない関西弁や、急に現れて急に泣き出したななにびっくりしてたなぁ


ここで私へのいじめは終わった。






あの時は小学5年生、

今よりずっと泣き虫で怖がりだったのに私を助けてくれた。



なな曰く、飛鳥を助けたいって思ったら身体が勝手に動いてたんだと。


感謝してもしきれないね、ありがと、なな。





ななとは前から友達だったけど、このことがきっかけでもっと仲良くなった



わたしの憧れ。ヒーロー。




でも、私が5年生になったとき ななは昔住んでた大阪に戻ることになってしまった




今までにないくらい泣いたなぁ



あのときはもう二度と会えないと思った



そんな ななが帰ってくるんだ

また遊べるんだ、






でもななはもう高校生だよね  私なんか相手にしてくれるのかな?



ななに会うのは少し楽しみで、少し不安






そんなことを考えながら眠りについた







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長めです!読みにくくて申し訳ないです