昔々、西の彼方に「雨楚歌(アメソカ)」という国があってな。
財界が政治も経済も教育も報道も支配しておったそうな。
国民は失望していて投票に行かないから組織票だけで政治家が決まってしまって、だから政治家も組織票をくれる財界のことしか考えなかったんだと。
財界は金さえ儲かりゃ人々がどうなろうと関係無いもんなあ。
弱い国に行っちゃあ、あちこちで内乱をあおり、反対運動があればテロを起こして犯人に仕立て上げ、最後は政府に命じて軍隊を送り込み、その国の政府を滅ぼして自分らの傀儡政権を設立じゃ。
そんなことしてもマスコミはスポンサーには頭があがらんから、何でも財界の言う通りしか報道せんかったんじゃと。
「アメソカ」の財界はのお。ビリオネアという一握りの汚い連中が支配しておってなあ。
こやつらは世界中の財界を支配しておるのじゃったそうな。
東のはずれの「ニ細(ニホソ)」とか、その隣の「館漕(カンコグ)」「中漕(チューコグ)」「論阿(ロンア)」とかな。
みんな同じじゃ。
仲悪いふりしとっても、みんなビリオネアどもの仕組んだ狂言じゃったと。
戦争を起こしては儲け、事故を起こしては儲け、飢餓を起こしては儲け、疫病を起こしては儲け、国際支援とか復興支援とか適当な口実で儲け、何もかも金のためじゃったそうな。
やつらは本当に平和が来たり復興したりすりゃあ儲からんからなあ。
絶対に平和が来んよう、復興せんように上手にやっておったと。
こんなことはのお。もっとずーっと昔からあったことでな。
昔、どこかの国の王様が倒されて、民主主義革命じゃって歴史の教科書に書いてあることも、実は貴族階層と富豪階層との抗争で富豪階層が勝っただけじゃって言うわのお。
歴史書なんちゅうのは支配者側が書くもんやから、そんなもんじゃな。
みんな内緒の話じゃよ。
秘密。秘密。
昔、「ニホソ」の国では秘密保護法が制定されて、総理大臣が議会に乗り込んでなあ、「テロリストめ」って叫んで機関銃を乱射したんじゃと。酔っとったそうな。
テロ対策じゃから国家の機密事項じゃってことで、すべては永遠に闇の中じゃと。
これも内緒。みんな内緒じゃ。
ま、言えることわな。
投票だけは行っておくことじゃな。
誰が当選するにしても、組織票だけじゃ決まらんっちゅうことが大切なんじゃ。
そうでないと、庶民なんぞどんな風にしても選挙には関係ないっちゅうことになるじゃろ。
投票だけは行くんじゃぞ。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
