スタンド・バイ・ユー出演者オフィシャルブログ Powered by Ameba -5ページ目

スタンド・バイ・ユー出演者オフィシャルブログ Powered by Ameba

スタンド・バイ・ユー出演者オフィシャルブログ Powered by Ameba



大阪(4)→金沢(1)→清水(1)。
それぞれの劇場に足をお運び下さった方々に厚くお礼申し上げます。
大阪では人生初のスタンディングオベーションにジーンとしました!
(舞台上から見るとまた違うという驚きと感動を頂き感謝です!)
その後の金沢にて二度目、出演者一同とても嬉しく思っております。
清水の1500席超巨大ホールも、三階席までお客様が入ってびっくり。
たくさんの方にお目見え出来、本当によかったです。

東京千秋楽に続き大阪でも大入袋を頂き、中身がなんと500円玉!
うひゃー硬貨の親分ですよ、大入袋の意味を知ると本当に立派なこと。
(横の黒いもじゃもじゃは“スティンキー”というムーミンのキャラ)





さて、そんな楽しい都市巡回公演も残すところに二都市で二回。
離れ難い共演者の皆様、色々支えて下さったスタッフの方々。
舞台上のライトの明るさ、そこから見るお客様方の顔。
徐々にセンチメンタルになってきている今ですが、正直に言うと
なによりも私の役“ハルカ”とお別れするのが寂しいです。

俳優として普段は隅々まで役を把握して理解、表現したいと考えていますが、
コントロールできる“掌握したつもり”になるのは
とても不健全なキャラクターになってしまうのではと思い、
放し飼いのような状態で対峙したいと考えながら進めた稽古中。
しかし、毎回100%以上のシンクロを目指してハルカを全うすると、
どうしても彼女の想いが流れ込んできて、全て知ることになりました。

毎回ごと演じながら「ああ、あなたってこんな人だったの」と
最初期には見えなかったハルカの想いの底や、新たな面が感じられて
シャイなクラスメイトと毎日少しずつ打ち解ける過程のようでした。
そして心底仲良くなったら、もう進級でクラス替え、さようなら…という感じ。

いうなれば役の引っ越しですね。
生活の基盤ごと、また新しい役に移り変わる。
役者はそういう仕事なのに、私は毎回とても寂しく感じます。

今回は特に、自分の難点(舞台初、息を吸うだけで痛かった脇腹)が
彼女の伸びていきたい方向を邪魔してしまわないかではと心配で。
それでもハルカは全くそんなことはおかまい無しに、思う様謝り倒し、
気持ち悪い物を愛でて興奮し、絶叫し、自分なりの夫婦像を発掘。

岡田さんの書かれた本の力と、監督の演出の力で自立したハルカ。
最後の公演まで、彼女が私を引っ張っていってくれると思います。
変な表現ですが、そのようにしか言い表せない感じなのです。
控え室で不安いっぱいでも、舞台に出るとそんなものは消し飛び
もっとお客様になにかを手渡したい残したい一心で気付けば終演。

毎晩ベッドにもぐる時に疲労があっても、笑い声と歓声と拍手の余韻で
「明日はもっと喜んでもらいたい」と笑みが零れ、元気が出ました。
ハルカのキャラクターとお客様の拍手でここまでこれたようなものです。
頂いたものをお返し出来るよう、最後まで尽力します!

何度も何度も同じシーンを演じることで、こんな幸福感を得られるとは。
一発で「OK」を頂ける事が喜びと安堵になるTVドラマ出身者にとって
舞台では思いもよらない感覚、新発見でした。
あまつさえ「何十回もやったら感覚が鈍ったり、飽きたりするのでは…」
という的外れな心配までしていたのですが、全くの真逆でした。
感覚は強くなる一方で、自分がどこまでいけるのかもっとやりたい、
と思うばかりの今。絵空事でなく、あと百回はやりたい(笑)

残すところ名古屋、福岡と二回の公演。わずか二回。
全員でさらなる高みを記録して、この物語を綴じたいと思います。
公演終盤も何卒応援よろしくお願い致します。


追伸:公演中頂いたお手紙にはありがたく目を通しております。感謝!

「美大に進学しようか悩んでいる」と高校二年生の方よりご相談があり、
一言だけですがアドバイスをお送りします。
美術志望だった筈の私は紆余曲折経て役者をやっています。
結果的に今は幸せです(美術から離れる時は苦しかったです)。

ひとつだけ言えるのは「知識や経験は絶対に未来の自分を助ける」
ということです。そして勉強はどの分野も捨てずにやった方がよく。
芸術畑は感性の勝負と言われますが、感性を磨くことって何なのか?
私が仕事柄お会いしてきた素晴らしい人達は皆一様に勤勉でクレバー、
芸術だけではなく幅広く新しく学ぶのが大好きです。それが答えかもしれません。
なんの職業でもそんな人が素敵ですよね。





舞台『スタンド・バイ・ユー~家庭内再婚~』公式ホームページ