いちょう並木
- 1 「図解 現場力―「強い企業」には「強い現場」が存在する! 」 遠藤 功
- 2 「ヒストリアン・I 」 エリザベス・コストヴァ, 高瀬 素子(訳)
J. K. ローリング, 松岡 佑子(訳)
3 「ハリー・ポッターと謎のプリンス 」
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『いちょう並木』
「ソノユビヅカイ、ゲンバリョクトシテハサイコーノモノデス」
フランス人パティシエ、ベルモントは断言した。
「電卓打ちだけで、そんなことわかるわけないやん」
日本人銀行員、ひとみは困惑した。
「ゼヒウチノパティスリーデハタライテクラサイ」
しつこく食い下がるベルモント。
客を邪険に扱うわけにいかないひとみは、
支店長に視線を投げ、助けを求めた。
しかし日本人支店長、小林は日本人OLあゆみに安らぎを求めている最中だった。
ついに根負けしたひとみは、一度店を見に行くことを約束し、
何とかお引取り願った。
約束の日、律儀にも店を訪れたひとみは、
愕然とした。
「ひっそりやん、めちゃめちゃひっそりしてるやん。
お客、誰もおらへんやん」
店の奥に目をやると、ベルモントがプリンをつくっていた。
熱いカラメルソースを型に流し込むベルモント。
卵を割り、熱心にかき混ぜる彼。
オーブンの温度設定を、慎重に行うあいつ。
寸分の無駄もない、完璧な動きに思えた。
この人のもとでなら、自分も何かになれるように思えた。
しかし、出来上がったプリンは、なぜか肉じゃがの味がした。
日本に来てから、ずっとこうなんです、と困惑顔のベルモント。
理由はどうあれ、必要とされている、と感じたひとみは
いつの間にかエプロンを身にまとっていた。
それから数年、店はようやく軌道に乗りつつあるが、
その謎のプリンは、今もガラスケースの隅にいます。
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地学の未来
2/23 e-hon総合ランキング
1 「10年後の日本 」 『日本の論点』編集部
2 「千円札は拾うな。 」 安田 佳生
3 「新しい高校地学の教科書 」 杵島 正洋, 松本 直記, 左巻 健男
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『地学の未来』
教師は悩んでいた。
今の高校生に、退屈な地学を教えるなんて無理な話だ。
特に今度の新しい高校地学の教科書はさっぱりまとまりがない。
このままでは、10年後の日本に地学の居場所はない。
いっそのこと、フィールドワークに連れて行ってはどうだろうか。
教師は翌日、生徒たちを裏山に連れ出し、
発掘の真似事をさせた。
「先生、綺麗な石を見つけました」
教師は喜んだ。
「お、いいのを見つけたな。記念に持って帰りなさい」
「先生、十円見つけました」
教師はまた喜んだ。
「お、十円か。よかったな。持って帰りなさい」
「先生、百円見つけました」
教師はちょっと驚いた。
「みんな、よく見つけるなー。まあ、いいや。持って帰りなさい」
「先生、千円見つけました」
教師は叫んだ。
「その千円札は拾うな。貴重な遺跡だ。現場を保存しろ。お前らはもう帰れ」
その後、教師による孤独なフィールドワークは深夜にまで及んだ。
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