決めた。
書く。
今日はあの日から一年。それぞれ想いは違えど、忘れては行けない日であり、忘れられない日だ。
俺の親父と叔父は漁師で、毎年といっていいほど気仙沼で水揚げされたサンマを俺は食べてた。
宮城県の漁師の知り合いの中にも亡くなった人がいる。
あれから一年経ち、去年と同じ場所に俺はいる。
今日の朝、リフトを動かす前に副主任のオカちゃんが手に持っていた紙を見ながら言った。
「今日は例の震災から一年なんで、仕事中に黙祷をするで。」
その場には出勤したリフトマン全員いた。
俺はその時点で
「紙見ながらじゃないと言えねぇ事か?」
と思い、1人カチンときてた。
細かいと言われればしゃ~ないが、カチンときた。
その後に主任がこう続けた。
●主任「時刻がきたらリフトを止めて黙祷するほうがいいんじゃねぇか?」
副主任のオカちゃんがそれに対してこう答えた。
●オカちゃん「運転のボタンを三回、ブッブッブ~って鳴らすのはどうですか?」
●主任「それだと(止めてる)リフトが動くからダメじゃねぇか。」
●オカちゃん「あ、そうか。動くからダメか!ハッハッハッハ~っ!!」
オイ!!
何がおかしい!!
何で笑ってんだ!!
頭おかしいんか!!
本人に悪気がない。素なのだ。
素なのだ。
素でこんな事を言ったのだ。
素で笑ってるのだ。
何をやってるのか分かってないのだ。
気付いてないのだ。
情けない。
恥ずかしい。
怒りすらない。
呆れた。
こんなヤツがいるんか?
信じられん。
考えられない。
こんなヤツと同じ職場にいる。
言ってもムダ。
バカにも程がある。
本当に呆れた。
今日1日中クチ聞かなかった。
喋る気にもなれん。
人間というのは、人生の中でそんなに変わるモノじゃない。ましてや、30歳も過ぎて、子供も2人いて、嫁さんもいて、家族持ってるヤツが、今日のこの日に、日本中、世界中が今日のこの日を忘れてはいけない日だという事を改めて刻む日に、お前は何なんだ?
恥を知れよ!
朝イチから今の今まで、頭にあの笑い声と顔がチラついてイライラする。
だから今日は余り人と話してない。
寝てイライラを消そうと思ったけど、ダメだ。書かないとって思った。
気持ちを落ちつかすには、書かないとって思った。
普段なら、俺はその場で直接言う人間だから、その場で言う。
が、本人が分かってないから言ってもダメだって思ったのと、呆れて怒る気力も湧いて来なかった。
シーズン最後まで、こんなヤツと一緒に働くのか…。
残念の一言じゃすまない。
しかも、俺達のリフトの時計は止まっていた…。
直しはしたものの、時計が止まってたのに気付くのも遅かった。
俺は知ってた。
言わなかった。
言う必要がないと思った。
気にしてないんだから、この人は。
ただ、主任は携帯で時刻を見て、時刻がくると黙祷していた。
俺も黙祷した。
でも気持ちはバタついてた。改めて、自分のタイミングで気持ちのバタつきがない状態で黙祷した。
二度とこんなヤツと一緒に仕事したくないと思った。
バカ過ぎる。
残りの日数、何事もなく仕事をやってく事は出来る。大人だから、俺も。
ただ、こんなヤツが近くにいるのを知った衝撃は半端ない。
ただただ呆れる。
ここに書いたから、明日の仕事から気持ち切り替えていかないと。
バカヅラ見ても流すようにしないと。
ただ、次、同じような事が万が一あれば、条件反射でひっぱたくだろう。
許さん。
分かってなくても許さん。
人の足を踏む。踏んだ人間は踏んだ事をすぐ忘れるけど、踏まれた人間は踏まれた事を覚えてる。