辺りを見渡すと白い神秘のような場所に来ていた。
空は瑠璃色のようだった
周りが白だから余計目立って綺麗に見えた。
辺りは白木でいっぱいだった。
木の枝は白く葉だけが若干緑がかっていた。
花も咲いていた。
薄いピンク色
薄い紫色
その中に鈴らしきものが見えた。
その鈴に触れてみると、鈴を持った妖精が飛び出してきた。
「すごい…綺麗」
歩いていると、目の前に人影が見えた。
近寄ってみると
髪はクリームがかったブロンド
とても長く一つにまとめられていた
肌の色はダニタとは違った透明のような色
目は光の加減で変化する
服は白で統一されていた
メアリーは今まで出会った男の子の中で一番カッコイイと思った。
ダニタはその存在に気付き話しかけた。
「もう少しはやく助けてくれても良かったんじゃない?優秀なエルフさん」
「俺だってそんな暇じゃないんだ。
それに、俺はこの計画に賛成なんか1度もしていない」
「じゃぁ、この世界が終わってもいいの?
この子がいなかったら私たちはあいつらに勝てないのよ」
メアリーはなんの話しかわからず
どういうことか質問した。
「さっきも行ったように、あなたは特別な存在なの。
みんなそれぞれの種族の魔法しか出来ない。私も、皆が付けているネックレスの血が証拠なんだけど。
あなたのネックレスの血は…すべての種族の血が練り込まれているの。だから、すべての種族の魔法を使うことが出来る」
「え?!そーなの!それってすごいことじゃ…」
「確かにすごいことだが…リスクがあるんだ。俺達は自分にあった魔法を使うからリスクがない…。だが、君は人間だ。俺達より力も能力もない。ましてやすぐに死んでしまう種族だ。
一気に3つの種族の力を使ってみろ。
命が削られていく。
そのネックレスは人間が使うものではないんだ。」
っと怒ったように男の子は言った。
「私たちは、それを阻止するためにあなたを保護するの。
魔力を正しく使えるように。
そして、アイツらから守るために」
「あいつらって…さっきの魔物?」
「そうよ。魔物もだけど、力を欲しがっている種族がたくさんいるの。
ヴァンパイアの一族でさえ、あなたを狙っているわ。
それを手にすれば、すべてを手にするからね」
「エルフ族にもいる…。多分君がこの世界に来たことを皆分かっているだろうから…
襲ってくるだろうな」
「そんな!じゃぁ、どうしてここに来させたの?敵がいっぱいじゃん!」
「人間界にだっていたじゃない。
それにあたなは何も出来なかった。
ここに来れば戦い方だってわかるし、私たちが行ってる学校が守ってくれるわ。
今から学校に行くけど…エルフの森から向けなければ行けないのよ。
いつ襲ってくるか分からないから、気をつけて。」
「我々をそんな言い方されては困るな」
その声に反応したダニタは、その声の方向に銃を向けた。
「やめろ。ダニタ。俺の父上だ」
「ようこそ。ヴァンパイアの少女と…
なるほど…君がそうか。
とりあえず家に入りなさい。ここは危ない。欲に塗れた兄弟達がやってくる」
そういうと白い屋根の家に連れて来られた。
「私はシリルの父。レゴラスだ。
もう、シリルから紹介は受けたのかい?」
すると、シリルが後ろから
「申し遅れてすまない。
俺はシリル。このエルフ族の王子だ。
そこのヴァンパイアとは昔から敵対している中だが、エルフは人間の味方だ。
君を全力で守ろう。」
「ありがとう。」
メアリーは笑顔で答えた。
レゴラスは真剣な顔をして
「どうして君が特別な存在か分かるかい?」
「私もどうしてか知りたいです。」
「君のネックレスを作った一族が原因なんだ。
その一族は昔多く存在し、優秀な頭の持ち主ばかりだった。
色々な物を発明し、この世界に必要な存在となった。だが、その一族は忽然と姿を消した。この世界から人間界に移動した。
今普通の人間として暮らしている者がたくさんいると聞いている。
その人間界でその一族の1人がそのネックレスを作ってしまったんだ。
私は、1度その一族の1人に血の提供をした。実験に使うからと。
まさか、こんな物を作るとは思わなかった。」
メアリーは確信をした。
このネックレスを作った人物を。
「このネックレスを作ったのは。私のお婆ちゃん?!」
「そう、君のお祖母様。レイニー。
レイニーとは仲が良かった。
いつも周りを明るく元気にしてくれた。
優しい女性だった。
私は彼女を信じて血の提供をしたのに…」
「もしかして…ヴァンパイアの血も…」
そういいながら、ダニタの方へ振り返ると
「そうよ。私の母、マニーもあなたのお婆ちゃんと仲が良かったの。」
「どうして、お婆ちゃんとあなたのお母さんが?歳が違うじゃない。シリルのお父さんだって。」
「あなたのお婆ちゃんは人間に近い存在だから、ヴァンパイアで言う100歳は人間でいう30歳くらいなの。エルフもそう。」
「なるほど…。いや。ちょっと待って。どうしてお婆ちゃんがそんなネックレスを作って私に渡してきたの?!」
「私たちも分からない。
彼女が世界を混乱させるような物を作り何を企んでいるのか。
一つだけ言えるのは、血の提供をした我々にも責任がある。君を全力で守ることだけだ。シリルやダニタも君を守る。
あと、クレイズもだ。」
「クレイズ…魔法使いも血の提供を?」
「ええ。魔法使いはほかの種族より1番長生きするの。
血の提供をしたのは私たちの友人…マルクよ」
シリルはまた怒りながら
「クレイズは信用できない。
あいつらはずる賢いし、すぐ裏切るからな。
あいつは絶対何かを隠しているに違いない。」
「シリル…。今は数少ない仲間を信じるしかない。我々一族も裏切り者がいるんだからな」
レゴラスはシリルの肩に手を乗せ語った。
「この家から学校への入口は繋がってるの?」っとダニタは問いただした。
「奥の部屋に鏡がある。
そこが入口だ。ヴァンパイアよ。
我々に口の聞き方には気をつけろ」
「それは申し訳ありませんでした。
なにせ野蛮な一族なもので」
メアリーはヴァンパイアとエルフは本当に仲が悪いんだなとつくづく思った。
レゴラスに言われた通り奥の部屋に行くと、大きな立派な鏡が置いてあった。
するとシリルがダニタの横をドンッと通り鏡に向かって話し出した。
多分、魔法を唱えているのだろう。
鏡が光はじめ。鏡の仲が歪んだ。
「よし。もういいぞ。
メアリーおいで」
そういうと私に手を差し伸べた。
ダニタはその手を振り払うかのように、間を通り
「どうもありがとう。さすがね。
メアリー行こ」
っといいながら、メアリーを無理やり鏡の中へ引っ張った。