真央ちゃんは、自分の発言を覆したりしないので、次のオリンピックはどんなことがあっても目指すのだと思っていた。今年の全日本選手権がきっと最後の試合になるであろうから、絶対に生観戦しようと思っていたので、このタイミングで引退は少し驚いた。
しかし、昨年末の全日本での惨敗、後輩選手の台頭、自分の出したSPの世界最高得点をロシア選手に塗り替えられる、など決意に至るのも致し方ない。。
引退会見の受け答えのなんともすがすがしいこと!
確か、高橋大輔さんの時は、現役に未練たらたら感があった・・(笑)
もしかして、現役に戻るかも、、という含みをもっていたと思う、会見の時は。
真央ちゃんの場合は、一度復帰して、でもなかなか上手くいかなくて、、
復帰しなかったら悔いが残っていたと思うけれど、とにかく自分はやりつくした、できる限りのことはした、と後悔の残らない形で現役生活を終えることが出来たことは本当に素晴らしいことだと思う!
引退は残念ではあるけれど、これ以上、真央ちゃんの苦しむ姿を見るのはファンとしても辛く、ちょっとほっとした部分もあり、、複雑。
世界のトップで活躍しつづける真央ちゃんをずーっと見ていたかったけれど、これが現実。
これまで真央ちゃんの出場した沢山の試合やショーを見て、その演技を目に焼き付けることができて本当に良かったな。
特に、2014年の世界選手権の最高の演技を目の前で見たことは幸せだった。
佐藤コーチに金メダルをかけていたこともとても感動的だった。
最初は高橋大輔さん目当てで見ていたフィギュアだったけれど、いつの間にか真央ちゃんにハマり、試合の時は祈るように見ていて、応援する気持ちが強すぎて、自分が辛くなったりも、、
こんな気持ちにさせられるのは何故なんだろうか?と時々思ったけれど、不思議な魔力というか、どうしようもなく惹きつけられる選手だった。
彼女は、フィギュアスケートを通して、人々を啓蒙するような、そんな特別な役割を担った人だったのだろうなと思う。
きっと多くの人がみな、彼女の姿に神聖なるものを感じるから惹きつけられるのだと思う。
引退会見を見て、改めてその人格の素晴らしさに気づいた。
しっかりした受け答え、どんな質問にも真摯に答え、嘘のない言葉、美しい心がそのまま表れた姿には感嘆した。
本心ではそうでありたいけれど、なかなか難しいとか現実的に生きていくにはそうそう純真でもいられないとか、、忙しさにかまけて忘れかけていた、人間としてこうあるべき姿、のようなものを彼女が体現しているから、その姿や発言にはっとさせられるのではないかと。
少なくとも私はそうだ。
彼女の実力からしたら、五輪の金メダルは当然取ることが出来たはずであったにもかかわらず、そこには手が届かなかった、、トリノには年齢制限で出場できなかった、バンクーバーで3度もトリプルアクセルを決めたのに、何故か銀メダルに終わってしまった、ソチではまさかのSPでの失敗、となかなか運命が味方してくれなかったことも、多くの人の心をとらえたかもしれない。
私も彼女が15歳で初出場のオリンピックでいきなり金メダルを取ってしまっていたり、バンクーバーで当たり前のように金メダルをとっていたら、ここまで彼女にハマらなかったのではないかと思う。
何故だか低くつけられる採点、、コーチが不在の時期もあったり、思うようにいかなかったジャンプの矯正、最愛のお母さまを亡くされて落ち込む姿、、苦しみもがきながらも目標に向かって立ち向かう姿に多くの人が共感し、尊敬し、その活躍を願った。
いつも安定して強い訳ではない、なぜか歯車が合わず上手くいかない時もある、でも、ここぞという時にそれまでの不調が嘘のように復調したり、といつも見ていてハラハラする選手だった。
そこもまた彼女の魅力。
ソチのフリーも良かったけれど、わたしは2010年世界選手権優勝の時のフリー「鐘」が最も印象に残っている。
力強い滑り、あふれんばかりの情熱、気迫、あの超絶ステップ、トリプルアクセルを2回、しかもひとつはコンビネーション。最後に満足気に腕を振り下ろす姿。すべてが深く印象に残っている。
オリンピック金メダルをとらせてあげたかったなぁ。。。