ほとんどの場合、出世を果たすには上から引き上げてもらう必要がある。
自分が稼いだ売上高で出世することもあるが、現代で重要視されるのはコミュニケーション能力だと思う。
会話のテクニックを駆使した言葉のコミュニケーションもそうだが、例えば営業部門で販売契約取ってくる。その書類が販売管理や経理などにも渡ることになる。その時に書類が自分の手から離れた先、他の部門の人間は必ずしも同じ情報が欲しいわけではない。先の者が欲しい情報を考える事もコミュニケーションの一つで、他の競争相手との差別化にもつながる。
サッカーに例えると、同じ場所にパスを出すにしても、パスを受ける選手がトラップしやすいような回転や軌道にする。いわゆる「上質なパス」だ。見た目は同じかも知れないが、パスを受けた選手には違いがわかる。そのパスのおかげでストレスなくゴールできると、監督に誉められたその選手は、パスを出した選手により感謝するだろう。
サッカーには当てはまらないが、仕事では書類の提出先に上位部門が含まれる場合が多い。数多くいる営業マンの中でも「上質なパス」が出せる者は、直属の上司はおろか、違う部門からも「仕事ができる」という印象になる。相手の細かい仕事が減ればコストカットにもなり、コミュニケーションを通じて会社に貢献することになる。さらには信頼を得る事で大きな仕事を任されたり、重要なポストへの候補にもなる。
こういうコミュニケーションを怠って、自分のできる仕事を狭めてる節はないだろうか。社会人ならこんな事は当たり前だが、常日頃から意識する事で自分が書く文字ひとつも変わる。
これが習慣になって、ルーティンではなく思考スピードが早まり、誰もがすぐに真似できないレベルまで高まると、その価値は見逃されないものになる。