2021年1月17日「ジョーンの秘密」鑑賞

今年観た映画です

スパイ容疑で逮捕された女性の実話に基づくベストセラー小説を映画化

第二次世界大戦末期、イギリスが行った原爆開発の資料を研究チームの一員だったジョーンがソ連のKGBに渡したとする容疑で戦後55年経った2000年にイギリス保安局MI5に逮捕される

逮捕されたのは80歳代の老女ジョーン(ジュディ・デンチ)

ジョーンが若かりし日の自分(ソフィー・クックソン)の回想をなぞるといった構成は、歴史ミステリーっぽく成立していて見応えがありました

史実としては凄く興味があって、予告の時点でも楽しみにしていた作品で、実際にストーリーは面白かったんだけど、果たしてどの程度の真実が描かれているのかなと疑問に思ってしまった

原作も知らないし、実在の人物についても調べていないからわからないんですが、パンフレットを見る限り実像は筋金入りのKGBのスパイだったらしく、

映画では恋愛ドラマ的な部分というか、共産主義者の男に惹かれ教授との情事に走り、そういうシーンが出過ぎていて、男に翻弄され続けた結果がスパイ幇助したような感じに映っていて違和感はありました

実話を基にした作品とはいえフィクションなわけですが、それでもKGBに利用された浅はかな女にしか見えなかったです、私には

でもそれじゃあこの作品の趣旨ではないだろうに…

唯一の被曝国に生きる者として複雑な気持ちになるのは、平和に対する価値観が多少違うからなんでしょうが、道徳的ジレンマに直面したジョーンの胸中は伝わってきました

2020年8月7日日本公開

映画「ジョーンの秘密」

監督/トレヴァー・ナン

脚本/リンジー・シャピロ

原作/ジェニー・ルーニー(Red Joan)

出演/ジュディ・デンチ、ソフィー・クックソン、他

上映時間/101分