柚子は好き嫌いがある。
使用用途も限定される。
苺はほぼ万人に受ける。
いつでも主役級の扱いをされる。
柚子が
「もう少し熱くなったら
自分も赤くなれるのではないか」
「もう少し優しくなったら
自分も甘くなれるのではないか」
そんなことばかり考えて努力していた。
自分の苦みや酸っぱさを
憎々しく思っていた。
赤いのが100点
甘いのが100点
人気があるのが100点
と学校での評価基準があったのかもしれない。
0点だと思っていた柚子。
洋菓子屋さんに就職した柚子。
まじめに一生懸命だけではダメだった。
ずるい他人と比較するのもやめた。
①基本の生活をととのえる
②どうやったら自分の苦みや酸っぱさが生かせるか
と考えベストをつくす
③改善点の勉強をする
愚痴を言う時間があれば
①,②, ③を繰り返した。
業績をあげ
やがて和食と和菓子のオーナーになった。
最初から「柚子」のままでよかった。
しかし、生かす努力が必要だった。