「ただいまー!」

帰宅したのは、住民の中で唯一の大学生である中嶋優月。

明るさと知性を兼ね備えた女性である。

里奈「お帰り、ゆーづ♪ きょうも暑いね~ 体調気を付けてね」
優月「大丈夫です! 松田さん、料理手伝いますよ♪」
里奈「ありがとう。きょうはカレーなんだけど、サラダの盛り付けお願いできる?」



そこへまた住人が帰ってきた。
ペットショップに勤務する増本綺良だ。
彼女は住人の中でも一番賑やかな女子で、ムードメーカーでもある。

綺良「あら、今度入居する方?」
茉里乃「はじめまして、来週からお世話になります。」

綺良「私より年下なの?よろしくね♪ 後でゲームしよっ♪」

茉里乃(増本さんって何となく面倒くさそうな人だな・・・)


そして、夕食の準備が出来上がった頃、もう一人の住人である井上梨名が帰宅した。

これで住人全員が揃ったことになる。


里奈「さあ食べましょう♪ その前に、今度入居してくれる幸阪茉里乃ちゃんを紹介するね」
茉里乃ちゃん、自己紹介してくれる?


茉里乃「初めまして、幸阪 茉里乃です。近くのホビーショップに勤めてます。
    趣味は読書と映画鑑賞です。よろしくお願いします。」

 

猛暑が続く今年の夏。
東京郊外のとある建物の一室で、二人の若い女性が話している。

里奈「履歴書はこれでOKです。三重県出身なのね。食べ物の好き嫌いはある?アレルギーとかは?」

無表情で特にないと答える幸阪茉里乃。
他の住民と違い、茉里乃は大人しくて感情を表に出さないタイプのようだ。

料理のレパートリーに影響がないことがわかった里奈はホッとした。


里奈「じゃあ入居は来週ということで、荷物の搬入日が決まったら連絡ちょうだいね。
   今日この後予定がなかったら、夕食食べてらっしゃい♪
   他の人が帰ってきたら、紹介したいから」

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ここセゾン櫻は、女性専用のアパートで、管理人は松田里奈。
3年前までここはコーポ欅という名前で、鈴本美愉という管理人の女性がいたのだが、
ここに入居していた里奈が、頼まれて引き継いだ。

里奈は普通の銀行員だったのだが、退職して料理教室に通って調理師免許を取得し、料理の腕を上げたのだ。
賄い付きなのは、オーナー(鈴本美愉の父)と美愉の要望である。

セゾン櫻は建物自体は古いが、用水路が近くに流れており、自然には恵まれている。
庭もあるので、のどかさも感じられる。

茉里乃の入居で住民は4名となり、満室になって、より賑やかになりそうだ。
 

皆様、お久しぶりです。

約3年ぶりの投稿です。

 

アイデアが浮かばなくなったのと、仕事が少し忙しくなったのを言い訳にして、

リタイアしてしまいました。

 

ようやく時間に余裕ができたのと、推しグループが欅坂から櫻坂にリニューアルして、

一時の低迷期から復活してきたので、またぼちぼち書いていきたいと思います。

 

まずは欅時代に書き慣れた、「住民シリーズ(コーポ欅⇒セゾン櫻坂)」を書いてみます。

 

よろしくお願いいたします。

 

 

猛暑が続く今年の夏。
東京郊外のとある建物の一室で、二人の若い女性が話している。

里奈「履歴書はこれでOKです。三重県出身なのね。食べ物の好き嫌いはある?アレルギーとかは?」

無表情で特にないと答える幸阪茉里乃。
他の住民と違い、茉里乃は大人しくて感情を表に出さないタイプのようだ。

料理のレパートリーに影響がないことがわかった里奈はホッとした。


里奈「じゃあ入居は来週ということで、荷物の搬入日が決まったら連絡ちょうだいね。
   今日この後予定がなかったら、夕食食べてらっしゃい♪
   他の人が帰ってきたら、紹介したいから」

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ここセゾン櫻は、女性専用のアパートで、管理人は松田里奈。
3年前までここはコーポ欅という名前で、鈴本美愉という管理人の女性がいたのだが、
ここに入居していた里奈が、頼まれて引き継いだ。

里奈は普通の銀行員だったのだが、退職して料理教室に通って調理師免許を取得し、料理の腕を上げたのだ。
賄い付きなのは、オーナー(鈴本美愉の父)と美愉の要望である。

セゾン櫻は建物自体は古いが、用水路が近くに流れており、自然には恵まれている。
庭もあるので、のどかさ
茉里乃の入居で住民は4名となり、一応満室である。
 

里奈「うーん、工具箱見当たらないなぁ・・・」

 

里奈と葵は、自室の浴室のシャワーが、老朽化のせいか調子が悪いので、寮の管理人に見てもらおうと頼みに行ったのだが、
どこかに外出しているようで、不在だった。

 

DIYが得意な里奈は、自分で直してみると言って、工具箱一式を借用するため、地下にある物置部屋を物色していた。

 

葵「きょうは、あきらめようよ。誰かの部屋のシャワー借りればいいじゃない」
里奈「そうだね。ん?・・・・何だろうこの階段」

 

帰ろうと歩き出した二人は、物置部屋から少し離れたところに、さらに下る階段を見つけた。
陽がほとんど差し込まない場所にあるので、スマフォのライトで照らしながら、ゆっくり降りてみる。

 

葵「ねえ怖いよ、帰ろうってば・・・」

怖がりな葵が泣きべそをかくが、里奈は構わず進む。

 

ほどなく、小さな扉に突き当たった。
しかし、その扉は鍵が掛かってるようで、びくともしなかった。

 

二人は諦めて物置部屋のあるところまで戻って来たところで、声を掛けられた。

 

「何をしてるんだ!」

 

びくっとする二人。
葵は腰を抜かしそうになったほどだ。

 

里奈「土田さん・・・あ、あの工具箱探してたら、迷い込んじゃって・・・」

土田は、もう初老の旧館の管理人である。
結局、土田はすぐに二人の部屋に修理に来てくれた。


修理をしている間、里奈は土田に物置部屋の下にある部屋のことを聞いてみた。

 

里奈「あの物置部屋の下にある部屋って何なんですか?」

それまで和やかに世間話に応じていた土田は、動揺した表情を見せて、

 

土田「あそこに行ったのか!?」
里奈「あまりに奥まった所にあるし、いかにも不気味な雰囲気が気になって・・・」
葵「お化けでもいるような・・・」

土田「な、何言ってるんだ! くだらないこと言うんじゃない!!」

 

土田は普段は気さくで、冗談が通じるタイプの爺さんであるのだが・・・

土田「あの部屋は、戦後すぐに寮が出来た時からあるみたいで、俺も入ったことないんだ。学長から、あの部屋は気にするなと言われてるしな。いわゆる開かずの間だよ。あそこには近づくな。」


土田が帰った後、葵は怪訝な表情で里奈に言った。

葵「おかしいな、あの部屋の入口近くには最近っぽい足跡が残ってたけど・・・」


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翌日、軽音同好会の練習の後、里奈は由依に声を掛けた。

 

里奈「由依、最近元気ないね」
由依「べ、別に・・・」

里奈「理佐さんとうまくいってないとか・・・」

 

由依は、理佐とただならぬ仲になっていることを、里奈にだけは打ち明けていた。

 

里奈は気さくで誰とでも仲良くできる反面、肝心な事には口が固く、相談されやすい人柄だ。

由依「うーん、ケンカとかしてるわけじゃないんだけど、何か最近私に飽きている感じがするの・・・」
里奈「そんな・・・思い過ごしじゃない?」


そう言いながら、里奈はふと思い出していた。
一週間ほど前に、理佐が旧館の松平璃子の部屋から出てきて、その別れ際に、理佐が璃子の唇にキスをしていたのを、偶然見てしまった事を。