坂東駅に着いた。


始発ということもあり、俺と一緒に電車から降りたのはおばあちゃんの一人だけだった。


駅内には白装束を着た30~40歳ぐらいの男性が一人いて、寺で押されたと思われる朱色のスタンプがその白い服を赤く染めてる。その服は長旅のせいで汚れていてきれいとはあくまでも言えないのだが、その汚れた白さが俺にとって何か懐かしく、かっこいいものに見えた。

今風に言うならばそれは古着的なかっこい良さといも言うべきなんだろうか、白装束のほこりやシワがジーンズのダメージ加工のような重みを持っていた。


俺はお遍路に関して知識がないので、しかも駅についたばかりだから、どちらが北か、どちらの方向に一番の寺がるか知らなかった。だから、俺的には何も躊躇することなく、彼にどこに行ったらいいのか尋ねてみる事は俺のの中で普通のことだった。

だが、彼にこの問いを問いかけた時明らかにムスっとしていた。顔の表情は笠に隠れていてわからないし、目を合わそうとしない。少し間があった後で「気安く話しかけるな」みたいな事を言われた。


全てのお遍路さんが優しいとは思っていない。いやそれは嘘で、先ほどのことは予想外であったが彼と出合った事でこの旅に覚悟みたいなものができた。




先ほど一緒に降りたおばあちゃんがその光景を見て「御遍路さんかい?」と声をかけてくれた。俺はそうだ。今からやる予定だみたいな事を言ったら、じゃあ一緒に一番の霊山寺まで行ってあげようと言ってくれた。


駅で写真を撮ってくれたり、お遍路の事(グッズや)について色々教えてくれたり、きっとこのおばあちゃんは何人もの御遍路さんのはじめての案内人になっているんだろう。


正直、何を言っていたのか聞き取れなかったがマジ感謝。そのおばあちゃんとは国道のローソンの辺りで別れを告げた。


駅から霊山寺まで歩いて15分くらいだった。時間は確か6時30分頃に着いた。

一番最初のお寺と言う事もあってスガスガしい気分だった。