Don't take your time
僕がまだ20歳の頃、1990年頃だけれど、春休みはとてもながくて永遠に続くのではないかと思った。辛い進級試験が終わった次の日から、僕たちはみんな暖かくて退屈な時間を与えられる。
ただし進級や小遣いの少ないことは、休みが始まった時から春休みの最後まで不安だったから、それほど優雅な時間ではなかったのだけれど、それでも、今の生活から比べると、社会的な責任を感じる必要がなく、携帯電話やメールも無いから約束も気ままに適当で、緊張を強いられる場面といえば、気になった女の子の実家に電話をかける夜１１時頃ってくらいで、つまり、僕たち若者の多くは時間と税金を無駄に使い、無反省で穏やかな春休みを強制されていた。
その頃インターネットなんてものは存在していなかったから、僕たちは街に出掛けて情報を集めた。今と違って情報がなくても楽しい気持ちになれることも多かったけれど、その頃日本はやけに金回りが良くて（僕には無関係だったけれど、もちろん）、みんなが知らないレストランや洋服を知っていることが女の子にモテる秘訣だったり、みんなの驚きを得るための手段になっていった。経済的豊かさと文化・価値感の多様化が関係しているのかもしれない。もしくは多様化なんかではなくて、情報を持っていなくてはいけないという一つの価値感に縛られた滑稽なパラドックスだったのかもしれないけれど。
とにかく、僕の場合も例に漏れず、街に出て情報を集めて色々なレコードを聴いたり、映画を観たり、小説を読んだりしてみた。そして、いまでもその頃に出会った音楽や映画を最高だと思っている。情報に乗せられていただけかもしれないし、思春期に出会ったものが人格形成に影響しているのは確かだけれど、いま聴いても全く色あせることのない作品たちは、やっぱり強い力を当時から持っていたのだと思う。素晴らしい作品たちに２０歳で出会えたという点において、情報というのは必要最低限あった方がいいと感じる、それでも、インターネットが発明されて、膨大な情報を得ることができるような世の中になっても、僕たちはあの春休みを取り戻すことはできない。フリッパーズギターやロジャーニコルスが柔らかな風を運んできた渋谷の街角はもう戻ってこない。
あの春休みあたりに、東京の街で人伝えに手に入れた情報はとても確かで、熱を帯びていて、誠意があって、優しかったんだな。あの頃の街や、友達や、女の子たちや、小説や、フリッパーズギターやロジャーニコルスに感謝して。
（僕が２０年以上昔から最近まで聴いている春の曲を少しだけ。街のレコード屋さんは僕の憧れの場所でした）
M*A*S*H (Main Theme)/ Ahmad Jamal
Mumuki/ Astor Piazzolla
Tres Lindas Cubanas/Guillermo Castillo
Impossivel jardim/Renato Motha E Patricia Lobato
Sabor a Mi/Mateo Stoneman
Isn´t This A Lovely Day/Rodrigo Rodrigues
P'ra Que Chorar/The G/9 Group
My Foolish Heart・You're Gonna Hear From Me/ Bill Evans Trio
Prelude To A Kiss/Eric Reed Trio
Spring Can Really Hang You Up The Most/The Pete Jolly Trio And Friends
Chopin Nocturnes第2番 変ホ長調 Op.9-2, 第3番 ロ長調 Op.9-3/Vladimir Ashkenazy
Beethoven: Sonata For Piano No.8 In C Minor, Op.13 "Pathetique" - 2. Adagio Cantabile/Glenn Gould
Satie: Gymnopedie No.1/Pascal Rogé
Intermezzo/坂本龍一
You Still Hurt Me/ William Fitzsimmons
1 2 3 4/Feist
Late Light/Rosie Brown
The Drifter /Heidi Bruhl, Roger Nichols & The Small Circle Of Friends, Harpers Bizarre, The Sandpipers
The Visit (She Was Here)/ The Cyrkle
THE LOVE PARADE/Cornelius
I Just Want To Be Your Friend/Curt Boettcher
Who Needs You/Claudine Longet orラテンでレッツ・ラヴまたは1990サマー・ビューティー計画 -Summer Beauty 1990-/Flipper's Guitar
Hello・Coffee-Milk Crazy・happy like a honey bee・good byeour pastels badges・Colour Field・boys fire the tricot・Young, Alive, In Love・bic bad bingo /Flipper's Guitar
Love So Fine/The Four King Cousins, Frank Cunimondo Trio, Bobbi Boyle And The Trio, Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
Clair/Gilbert O'Sullivan
Everybody's Talkin'／Harry Nilsson
You Didn't Have To Be So Nice/ The Lovin' Spoonful
It Don't Pay To Worry Like That/ Ben Sidran
Haven't We Met・Stringman/Kenny Rankin
Silent Movies/Hirth Martinez
All Dressed Up (With Nowhere To Go)/ Michael Franks
5 A.M./ The Millennium
I'm Gonna Make You Love Me/Nick DeCaro
Finders Keepers/ Salt Water Taffy
Like To Get To Know You/ Spanky & Our Gang
Window/Paul Bryan
Don't Take Your Time・Let's Ride・Don't Go Breaking My Heart・Love So Fine/Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
ただし進級や小遣いの少ないことは、休みが始まった時から春休みの最後まで不安だったから、それほど優雅な時間ではなかったのだけれど、それでも、今の生活から比べると、社会的な責任を感じる必要がなく、携帯電話やメールも無いから約束も気ままに適当で、緊張を強いられる場面といえば、気になった女の子の実家に電話をかける夜１１時頃ってくらいで、つまり、僕たち若者の多くは時間と税金を無駄に使い、無反省で穏やかな春休みを強制されていた。
その頃インターネットなんてものは存在していなかったから、僕たちは街に出掛けて情報を集めた。今と違って情報がなくても楽しい気持ちになれることも多かったけれど、その頃日本はやけに金回りが良くて（僕には無関係だったけれど、もちろん）、みんなが知らないレストランや洋服を知っていることが女の子にモテる秘訣だったり、みんなの驚きを得るための手段になっていった。経済的豊かさと文化・価値感の多様化が関係しているのかもしれない。もしくは多様化なんかではなくて、情報を持っていなくてはいけないという一つの価値感に縛られた滑稽なパラドックスだったのかもしれないけれど。
とにかく、僕の場合も例に漏れず、街に出て情報を集めて色々なレコードを聴いたり、映画を観たり、小説を読んだりしてみた。そして、いまでもその頃に出会った音楽や映画を最高だと思っている。情報に乗せられていただけかもしれないし、思春期に出会ったものが人格形成に影響しているのは確かだけれど、いま聴いても全く色あせることのない作品たちは、やっぱり強い力を当時から持っていたのだと思う。素晴らしい作品たちに２０歳で出会えたという点において、情報というのは必要最低限あった方がいいと感じる、それでも、インターネットが発明されて、膨大な情報を得ることができるような世の中になっても、僕たちはあの春休みを取り戻すことはできない。フリッパーズギターやロジャーニコルスが柔らかな風を運んできた渋谷の街角はもう戻ってこない。
あの春休みあたりに、東京の街で人伝えに手に入れた情報はとても確かで、熱を帯びていて、誠意があって、優しかったんだな。あの頃の街や、友達や、女の子たちや、小説や、フリッパーズギターやロジャーニコルスに感謝して。
（僕が２０年以上昔から最近まで聴いている春の曲を少しだけ。街のレコード屋さんは僕の憧れの場所でした）
M*A*S*H (Main Theme)/ Ahmad Jamal
Mumuki/ Astor Piazzolla
Tres Lindas Cubanas/Guillermo Castillo
Impossivel jardim/Renato Motha E Patricia Lobato
Sabor a Mi/Mateo Stoneman
Isn´t This A Lovely Day/Rodrigo Rodrigues
P'ra Que Chorar/The G/9 Group
My Foolish Heart・You're Gonna Hear From Me/ Bill Evans Trio
Prelude To A Kiss/Eric Reed Trio
Spring Can Really Hang You Up The Most/The Pete Jolly Trio And Friends
Chopin Nocturnes第2番 変ホ長調 Op.9-2, 第3番 ロ長調 Op.9-3/Vladimir Ashkenazy
Beethoven: Sonata For Piano No.8 In C Minor, Op.13 "Pathetique" - 2. Adagio Cantabile/Glenn Gould
Satie: Gymnopedie No.1/Pascal Rogé
Intermezzo/坂本龍一
You Still Hurt Me/ William Fitzsimmons
1 2 3 4/Feist
Late Light/Rosie Brown
The Drifter /Heidi Bruhl, Roger Nichols & The Small Circle Of Friends, Harpers Bizarre, The Sandpipers
The Visit (She Was Here)/ The Cyrkle
THE LOVE PARADE/Cornelius
I Just Want To Be Your Friend/Curt Boettcher
Who Needs You/Claudine Longet orラテンでレッツ・ラヴまたは1990サマー・ビューティー計画 -Summer Beauty 1990-/Flipper's Guitar
Hello・Coffee-Milk Crazy・happy like a honey bee・good byeour pastels badges・Colour Field・boys fire the tricot・Young, Alive, In Love・bic bad bingo /Flipper's Guitar
Love So Fine/The Four King Cousins, Frank Cunimondo Trio, Bobbi Boyle And The Trio, Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
Clair/Gilbert O'Sullivan
Everybody's Talkin'／Harry Nilsson
You Didn't Have To Be So Nice/ The Lovin' Spoonful
It Don't Pay To Worry Like That/ Ben Sidran
Haven't We Met・Stringman/Kenny Rankin
Silent Movies/Hirth Martinez
All Dressed Up (With Nowhere To Go)/ Michael Franks
5 A.M./ The Millennium
I'm Gonna Make You Love Me/Nick DeCaro
Finders Keepers/ Salt Water Taffy
Like To Get To Know You/ Spanky & Our Gang
Window/Paul Bryan
Don't Take Your Time・Let's Ride・Don't Go Breaking My Heart・Love So Fine/Roger Nichols & The Small Circle Of Friends
天使たちのシーン
天使たちのシーン／小沢健二
海岸を歩く人たちが砂に 遠く長く足跡をつけてゆく
過ぎていく夏を洗い流す雨が 降るまでの短すぎる瞬間
真珠色の雲が散らばってる空に 誰か放した風船が飛んでゆくよ
駅に立つ僕や人混みの中何人か 見上げては行方を気にしている
いつか誰もが花を愛し歌を歌い 返事じゃない言葉を喋りだすのなら
何千回ものなだらかに過ぎた季節が 僕にとてもいとおしく思えてくる
愛すべき生まれて育ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
大きな音で降り出した夕立ちの中で 子供たちが約束を交わしてる
金色の穂をつけた枯れゆく草が 風の中で吹き飛ばされるのを待ってる
真夜中に流れるラジオからのスティーリー・ダン 遠い町の物語話してる
枯れ落ちた木の間に空がひらけ 遠く近く星が幾つでも見えるよ
宛もない手紙書きつづけてる彼女を守るように僕はこっそり祈る
愛すべき生まれて育ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
冷たい夜を過ごす 暖かな火をともそう
暗い道を歩く 明るい光をつけよう
毎日のささやかな思いを重ね 本当の言葉をつむいでる僕は
生命の熱をまっすぐに放つように 雪を払いはねあがる枝を見る
太陽が次第に近づいて来てる 横向いて喋りまくる僕たちとか
甲高い声で笑い始める彼女の ネッカチーフの鮮やかな朱い色
愛すべき生まれて育ってくサークル
気まぐれにその大きな手で触れるよ
長い夜をつらぬき回ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
涙流さぬまま 寒い冬を過ごそう
凍えないようにして 本当の扉を開けよう
月は今 明けてゆく空に消える
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則 ずっと
神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまぬように
にぎやかな場所でかかりつづける音楽に 僕はずっと耳を傾けている
海岸を歩く人たちが砂に 遠く長く足跡をつけてゆく
過ぎていく夏を洗い流す雨が 降るまでの短すぎる瞬間
真珠色の雲が散らばってる空に 誰か放した風船が飛んでゆくよ
駅に立つ僕や人混みの中何人か 見上げては行方を気にしている
いつか誰もが花を愛し歌を歌い 返事じゃない言葉を喋りだすのなら
何千回ものなだらかに過ぎた季節が 僕にとてもいとおしく思えてくる
愛すべき生まれて育ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
大きな音で降り出した夕立ちの中で 子供たちが約束を交わしてる
金色の穂をつけた枯れゆく草が 風の中で吹き飛ばされるのを待ってる
真夜中に流れるラジオからのスティーリー・ダン 遠い町の物語話してる
枯れ落ちた木の間に空がひらけ 遠く近く星が幾つでも見えるよ
宛もない手紙書きつづけてる彼女を守るように僕はこっそり祈る
愛すべき生まれて育ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
冷たい夜を過ごす 暖かな火をともそう
暗い道を歩く 明るい光をつけよう
毎日のささやかな思いを重ね 本当の言葉をつむいでる僕は
生命の熱をまっすぐに放つように 雪を払いはねあがる枝を見る
太陽が次第に近づいて来てる 横向いて喋りまくる僕たちとか
甲高い声で笑い始める彼女の ネッカチーフの鮮やかな朱い色
愛すべき生まれて育ってくサークル
気まぐれにその大きな手で触れるよ
長い夜をつらぬき回ってくサークル
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則
涙流さぬまま 寒い冬を過ごそう
凍えないようにして 本当の扉を開けよう
月は今 明けてゆく空に消える
君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則 ずっと
神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまぬように
にぎやかな場所でかかりつづける音楽に 僕はずっと耳を傾けている
Bewith
こんばんは
今日はクリニックで何人もの方にお会いでき
実際に皆様の声を聞き 話をすることで 存在を確かめることができ
僕の方が 勇気付けられた気がしました
東北地方の惨状はもちろんのこと
東京近郊でも いまだ余震が続き
停電や交通機関の麻痺している場所もたくさんあり
不安な日々が続いていますが
無力ながら自分の出来ることを考えて生活しようと思っています
クリニックは平常通りの時間帯で開業しています
お薬が不足しそうで不安な方もたくさんいらっしゃると思いますが
お電話で ご相談いただければ幸いです
出来る限りの対応をさせていただきたいと思っています
今日はクリニックで何人もの方にお会いでき
実際に皆様の声を聞き 話をすることで 存在を確かめることができ
僕の方が 勇気付けられた気がしました
東北地方の惨状はもちろんのこと
東京近郊でも いまだ余震が続き
停電や交通機関の麻痺している場所もたくさんあり
不安な日々が続いていますが
無力ながら自分の出来ることを考えて生活しようと思っています
クリニックは平常通りの時間帯で開業しています
お薬が不足しそうで不安な方もたくさんいらっしゃると思いますが
お電話で ご相談いただければ幸いです
出来る限りの対応をさせていただきたいと思っています