13.JR西日本福知山線脱線事故(Eタイプ)

                        文献53参照

(概要)

2005425日9時ころJR西日本の宝塚発同志社行き7両編成の列車が塚口駅尼崎駅間のカーブで脱線し、先頭の車両が線路脇のマンションに激突し、107名の乗客が死亡し、562名が重軽傷を負った。

当時制限速度は直前の直線区間が120km/h、曲率300mの曲線区間が70km/hであったが、事故調査委員会によると、列車はカーブに116km/hで突入し、1両目が外へ転倒するように脱線し、後続2両目も脱線した。当初競りあがり脱線が疑われたが、遠心力による単純脱線だった。

一方JT東日本の過密ダイヤ、ATSの未設置も問題とされた。さらに運転士の労働環境の問題もとりざたされた。つまり日勤教育と称する懲罰などである。刑事責任については安全担当役員が起訴され、社長3人も検察審査会によって最近強制起訴された。

同線は2005619日まで修理運休し、620日から試運転、翌年619日より全線完全復旧した。

(問題点)

過密ダイヤによる遅れの無理な挽回が基本原因であろう。またカーブの曲率が小さかったことも指摘できる。もちろんATSが設置されていれば防止できたではあろう。また従業員の労務環境、疲労、精神的問題なども考慮すべきである。

 本件と同じ脱線事故として1952年の鶴見事故(死者152人)があり、この場合は競合脱線とされた。