仕事でホームセンターに買い物に行って、お目当てのものの
在庫がなかったので、レジのお姉ちゃんに頼んで、
自分はレジを抜けたところで待っていた。
その時、目の前を通り抜けようとした男の人が、突然歩みを止め
「よう。」とでも言うように、人懐っこく私をじっと見た。
めちゃくちゃ高い背のその人の顔を、まじまじと見つめるも、
実は誰だか分からない。
あれ?友達の旦那に似てるけど、違うよな・・・誰だっけ?
かといって「あんた、誰?」とも聞く訳にもいかず、
愛想笑いを貼りつけて、ぺこりと頭をかしげるだけの会釈を返した。
「俺、○○ってんだけど、○○中学だよね。」と言われて、
あー、そんな名前の子いたなぁと、おぼろげに思いだす。
とっさに「よく、分かりましたね。」と何とも間抜けな返答をすると、
「俺、バレーしてて、さっきそこで友達と喋ってたんだけど、
あれっと思って。」とかなんとか言ったと思う。
で、「あはは、そうなんだ。」とそれ以上話す事も思いつかず、
精一杯の愛想笑いで返すと「じゃあ、また。」と笑って、
爽やかに彼は去っていった。
けど、こんなおばさんになった上に、病気して顔もかなり変わったと、
自分でも思うのに、よく気付いたな。
しかし、こういう時、私の人見知りが遺憾無く発揮されるんだよなぁ。
いきなりでパニクってたし、聞きとれた名前も実は自信がない。
該当する彼が彼ならば、居たのは覚えている。
でも記憶してる面影は全く見あたら無かった。
同じクラスだったかも覚えてないし、それにたぶん喋ったこと、ない。
元々そんなペラペラしゃべる子でもなかったと思う、もちろん私もだが。
背が高かったのは覚えてる。今もめちゃ高かったな。
けど、それくらいだ。
思いつく中学の時の、華やかな同級生達は、
もっと気のきいた返しをするんだろうなあと、何とも複雑な気持ちになる。
仕事ならサービス的な会話は出来るし、年配の人なんかには、
意外と優しい私だが、自分の事となるとてんでダメだ。
あ~、仕事モードで話せば良かったのか。
自分に自信がまったくないからなのだと自覚はしてるんだが・・・。
だから、私に声をかけようと思った彼は、ある意味エライと思う。
私は基本、昔の同級生に気がついても、声はかけない。
一度そこそこ親しかった同級生を久しぶりに見つけて、
声をかけた時の、「あんた誰感」がひどくて、トラウマになってるのだ。
それに、今更何を喋って良いか分からないってものあるしさ。
若干、人より深く付き合った友達でもそうなので、
見かけた事あったなと、久しぶりに集まった時に伝えたら、
「見かけたんなら、声掛けてよぉ。」と呆れられた事もあった。
だけど、まあ、彼のお陰で、声をかけてもらうのも悪い気しない、
ってのが分かったのは、まあ、収獲だったかな。
ま、これからもこっちからは、声かけないけどね。
ははは。
さて、今夜は完徹だ、頑張るぞ。