20年飼っていた猫が一昨日亡くなった。

20年も一緒だったので、いなかった頃が思い出せないくらいだ。

急に具合が悪くなって、1週間で天国へ旅立ってしまった。

嘔吐を繰り返して、何も食べなくなったので受診してみた。

原因は、「肥満細胞腫」と言う、人間には無い悪性腫瘍だった。

その内臓型ということで、原発巣が内臓に有ったようだが、高齢のため開腹手術は無理。

一応軽い方の薬物療法でステロイドを投与する事になった。

猫のこの腫瘍はステロイドには良く反応することが多いらしいが、高齢なので反応が思わしくなかったり副作用(とはいってもステロイド自身のそれより肥満細胞が壊れる時に多量に放出するヒスタミンによるものの方が強く出るらしい)が有ったり、簡単ではないらしかった。


投与後4日でショック起こしあえなく最後を迎えた。

調子悪くなってからの様子でもう長くはないと感じてはいたが、こんなに早く逝くとは思っていなかったので、心の準備が出来ていなかった。

最後はヒスタミンショックの症状で、消化管や肺からも出血していたようで苦しんだ。苦しませずに逝かせたかったが、あいにく何の方法も無く1時間ほど苦しんで心停止となった。


少し口から血を吐いたが、そんなに多量ではなく拭いてやると死に顔は穏やかで、まるで寝ている様にしか見え無かった。

名前を読んでももう答える事は無く、触っても起きて顔を上げることもなかった。

「そうかー、もうおきてくることは無いのだな」と当たり前のことを思った。


歳とともにこういうのに弱くなっている自分を感じた。

「もう、新しい猫は飼えないな。こういう別れにはもう耐えられないし20年も生きたらどちらが先か分らないしな」とかボーっと考えていた。


とりあえず、20年間うちで暮らしてくれてありがとうと言いたかった。

君との生活はとても楽しかったよ。

君は幸せだったのかな、うちでの生活は楽しかったのかな。

最後にいたい思いをさせてごめん。

逝ってしまうんだったら余計な事しなければよかった。


自分が行くときは、迎えに来て欲しい。すぐに気がつくからね。

いつものように鳴いて迎えて欲しい。

天国で会えるようにまっとうに生きるから。