エネルギー委員会以外にどのような仕事をしたのだろうか?

 

サクラメントでの学部生の頃は、ひたすら生活を切り詰めることに専念した。が、デービスでの大学院生時は、それでは済まなくなった。まず授業料がかなり高くなった。他方、大学内で仕事をすると、お金ももらえるうえ、授業料がディスカウントしえもらえるため、大学で仕事を持つことのが必須であった。大学内での仕事は2種類。一つはティーチングアシスタント(TA)と、リサーチアシスタント(RA)である。ちなみに、理系の大学院は企業から研究を請け負っていたりすることから資金があるようで、ある程度成績が良いと、授業料が無料なうえ、普通に暮らすには十分な給料も出るというような条件がけっこう普通にあった。

 

私の所属していた政治学(国際関係論)は、どこからもそのような資金はなく、また予算も少なかったのか、上記のTA・RAさえもほとんど機会がなく、他の学部の求人を探す必要があった。その結果、デービスでの最初の学期で、私は政治学部の隣の社会学部でTAの仕事をした。

 

TAとは、大学院生の仕事で、学部生を教える教授の手伝いである。具体的には、テストの採点や、学部生による質問を受け付けたりするのだが、最も大変なのは、週1回ある補講を切り盛りすることである。学部生は1教科につき教授からの授業(90分)と、補講(60分)をそれぞれ週一回ずつ受ける。補講では、授業の解説や生徒同士のディベートなどをやり、TAである私が教壇に立って進行していく必要がある。そして、このTAには特にマニュアルなどなく、なんとなくお題が与えられているが、補講の具体的な内容や進行はTA自身が考える必要があるのだ。

 

私は「American Social Problem」という科目を担当した。大学入学したての1年生が、教養課程的に受ける科目なのであるが、これが本当に困った。なにしろ、私にとっては補講を切り盛りするどころか、メインの授業についていくことすら大変だったのだから。この経験は間違いなく、大学院留学のハイライトの一つとなる経験であった。

 

(つづく)

 

↑ある日の食卓