秋から始まる二学期目からは、アパート暮らしを始めた。広さは40平米くらいの1LDK。三階建ての三階部分。

 

アパートはキャンパスのそばを流れる川に掛かる歩行者専用の橋を渡ったところにある。キャンパスのすぐ近くといえば近くであるが、なんだかんだと距離があり、アパートから教室まで歩くと平均15分くらいかかるため、100ドルしないくらいの自転車を買った。

 

新居に移るにあたって買ったのは自転車くらいだった。寝具の寝袋、3合炊きの電子ジャーや山用の鍋などの調理器具、目覚まし時計など、かなりの生活用品はザックに詰めて日本から持ち込んだ。食器などは寮の食堂から借りておいたものを使った。はじめは10畳ほどのリビングの真ん中にコピー用紙の入っていた箱を4つ並べて作ったちゃぶ台があるだけだった。さすがに私の目からみても殺風景だったが、生活するには十分であった。

 

そのうち、机やテレビなどを人から格安で買ってそろえていったり、3年後にはゴミ捨て場から本棚二つとタンスを拾ってきた。本棚やタンスはホームセンターで買ってきたペンキで真っ白に塗った。地べたに積み重ねていた本を本棚に収めると風景が一気に変わった。

 

 

(つづく)