柘榴坂の仇討を観た。
桜田門外の変により運命が変わった2人の男を描く。
キャストは中井貴一、阿部寛、広末涼子ほか
大沢たかおさん主演の「桜田門外の変」では、事件を起こした水戸藩士だったが、今回は逆の彦根藩士を中井さんをメインに演じている。
対する阿部さんは、敵方の浪士だ。
内容はこんな感じ
剣術に優れた志村金吾(中井)は出世して、主君井伊直弼の警護という重要な役目に就く。このまま太平であれば更なる出世間違いなしで、両親、妻(広末)も誇らしかった。
ところが1960年3月3日運命の歯車が動き出す。
江戸は大雪。
井伊直弼は登城する。しかしそこに安政の大獄で恨みを持つ水戸浪士らが襲撃する。
迎え撃つ彦根藩士の警備の数は約60名。
志村は懸命に奮戦するも、僅か19人の浪士に主君は討たれてしまう。
守ることが出来なかった。多くの彦根藩士が惨殺されたり、主君を守れなかったことで自刃もしくは切腹を命じられる。
襲撃した浪士も大半が死んだが、5人は逃亡していた。
志村の両親は、息子の責任をとって自刃。
井伊家の重臣は、志村に切腹は許さず、生きて罪人5人の首をとり、殿の墓前に供えよと厳命する。
慕っていた殿を守れずに責任を取って死ぬことも許されず、生き恥をさらしながら生きることになる。
時は流れ明治の世になる。
志村に命じた彦根藩や徳川、そして主君はいなくなってしまう。
根幹となる武士も消えつつあった。
しかし志村はもはや捧げる相手もいない仇討命令を、愚直なまでに遂行すべく明治の世で逃亡者を探している。一方、逃亡者の佐橋十兵衛もまたあれから時間が止まったまま、罪を背負い明治の世を静かに生きていた。
井伊大老襲撃を巡った二人の敵が明治の世で再び交差する。
二人の運命は・・・?
(感想)
いや~なかなか良かった。
桜田門外の変から13年が経過した旧敵二人。
されど、二人にはあれから時間は止まったままだ。
二人の苦悩を中井貴一、阿部寛が見事に演じていた。
敵同士。立場の違いはあれど13年前に死にきれずに生きてしまった
悲しさは同じ。そんな二人が明治6年 ついに会ってしまう。
お互い名前は名乗らずとも素性を見抜いてしまう二人。
緊張感ある重い会話。交差する想い。そしていざ・・・。
クライマックスでのお互いの苦しい思いの交差が素晴らしい。
また二人は孤独ではなかった。志村には妻が。
佐橋には彼を慕ってくれる隣家のかわいい子供ときれいな
女性が・・・。
志村と佐橋を支える身内の思いも素晴らしい。
キャストの演技がみな素晴らしく、感情移入できる。
それぞれの心の動きを丁寧に映し出している。
派手なアクションがないが、ストーリーと演技で勝負の作品。
秀作だと思う。
よって☆5
(評価)
☆☆☆☆☆
(基準)
☆☆☆☆☆ かなり面白い もう一度映画館に見に行きたい。
☆☆☆☆ なかなか面白い。
☆☆☆ まあまあ。しかし何かが足りない。
☆☆ がっかり。
☆ 話にならん 金返せ!!