知人からの勧めもあって、久々に映画鑑賞。
この「永遠のゼロ」は太平洋戦争時の特攻隊員の話。
設定は昭和16~20年の零戦パイロットと、時は流れてその孫にあたる現代を絡めている。
この2つの時代を交差しながら、孫が見たこともなければ、ほとんど知らない戦死した特攻隊員の祖父の生き方を調べるという形で物語は動いてゆく。
主演は、今年の大河ドラマ「黒田官兵衛」演じるV6の岡田准一で、零戦の天才パイロット役を
演じている。
また、その孫役として三浦春馬、吹石一恵。
祖父を知る特攻隊員の生き残りとして、夏八木功、橋爪功、平幹二郎。
祖父の妻役で井上真央などが演じていて、キャストは豪華。
アイドルを主役に使うと、とかくキクタクの映画のように、格好よくみせよう、泣かせようなどに力点を置き、勉強不足で内容が薄く、また現代の価値観を昭和の戦時中にそのまま持ち込むなどして、散って行った英霊への冒涜とも感じる陳腐な作品が多く、今作品もその類ではないかと最初は疑っていたが・・・・。
さて、内容的にはこんな感じ。
物語は、孫が祖母の葬儀で、実はほとんど知らない特攻隊員だった祖父の話が出たことから、
関心を持ち、調べ始めるところから始まる。
ところが、当時の戦友の生き残り達から調べれば調べるほど、「命を惜しむ臆病者」「卑怯者」といった芳しくない生き方だったという側面を知る。
しかし、その一方で、海軍一の天才パイロットだったことも知る。
相反するこの2つの事実。
特攻隊員生き残りの聞き取り調査をはさみながら、現代と過去を交差して祖父の生き方の真実に迫ってゆく。
果たして祖父はどんな生き方をしていたのか・・・?
感想だが、お涙ちょうだいとか、現在の歪んだ自虐的史観といった感じの薄っペラな映画では
なく、純粋に当時の兵隊の心に焦点を当て、当時の人が口に出さずとも、考えていたといった心情に基づく描き方で、素直に見ることが出来た。
岡田君を格好良く見せようといった描写もなく、それがまたよかった。
実は小生の叔父も特攻隊員の生き残り。聞いてた話もあったので、かなり共感が持てた。
残してきた妻と子供への深い想いからくる生きることへの執着。
しかし、その一方で戦友や教え子の後輩パイロット達が特攻によって次々と散ってゆく
残酷な現実。
悪化してゆく戦況、自分がとるべき立場。追い詰められてゆく主人公の心情にかなり泣ける。
興味のある方はおすすめの映画です。
現在、太平洋戦争について、肯定した、反論した見方をすれば右とか、タブー視するような
感じがある。
自虐的な報道も目立つ。靖国参拝について、偏った報道もされている。
正義の戦争だったとはいうつもりもないけど、100%悪だったとも思ってない。
勿論反省すべき点はただあるにせよ…。
この大戦を賛美はしないが、この映画に描かれているような、国の為に無念にも散って行った、まさに今日の繁栄の人柱となった多くの若き英霊に対する尊崇の念は持ちたいと思う。
ということで、評価は☆4つ。
(基準)
☆☆☆☆☆ かなり良い もう一度映画館に見に行きたい。 DVDは購入する
☆☆☆☆ なかなか良い。
☆☆☆ まあまあ。しかし何かが足りない。
☆☆ がっかり。
☆ 話にならん 金返せ!!