「鬼畜」という映画をご存知だろうか?
1978年に公開された古い映画で、キャストは故緒形拳、岩下志摩、小川真由美といった
すごいキャスト。狂った人間をすさまじく演じている。
小生は生で見てはいない。
日本テレビかなんかで、何度も再放送されていたなかで、ある程度物心がついた頃に見て、悪魔のような大人の所業に、怖さを感じたのを覚えている。
大人の無責任な都合で、幼児を次々に手にかける映画だ。
当時「幼児虐待」なんて言葉はあったかどうか・・・?
内容は、印刷工場を営む男には愛人がいて、3人の隠し子がいた。しかし、工場は火事で大半を失い、再建するにも経営は悪化。愛人には仕送りが出来ず、養えなくなったことから歯車が狂いだす。愛人は幼い3人の隠し子を、男に残して失踪。妻に隠し子の存在が露見したことにより、妻は激怒。鬼と化す。妻は末弟の幼子を育児放棄で手にかけ始末し、残る二人もやるそぶりを見せる。気の弱い男は残りの二人を何とかしたいと思いながらも、妻に追い詰められ鬼畜の道に踏み込んでいく・・・。
ふと思い出した映画だ。
東京大田区の、幼児遺棄、置き去り事件で昨日大きく報道されて思い出した。
まさに映画とよく似た平成版の「鬼畜」だ。
いや、映画の方がまだましかも。
実にぞっとする事件。
東京大田区で女児置き去りにしたとして、30代夫婦が逮捕された。11年前、長男を死なせて遺棄し、平成16年には次男を虐待して、次男は保護される。さらに平成22年には長女を捨てて保護され、平成23年にはさらに、まだへその緒がついている生まれたばかりの次女を捨てて、
近所の人に保護されている。
亡くなったのは長男だけにせよ、幼き子供4人に手をかけた身勝手夫婦は、まさに「鬼畜」か「悪魔」か。
獣にも劣る所業だ。
最近、小生は愛犬を失い、命というものに敏感になっている。
命って当たり前だけど、亡くなったらもうゲームのようにリセットして再生なんて出来ないと
痛感している。
今に始まったことではないが、連日ニュースで命を軽く見た残虐事件が頻発している。
事件ではなくても、ふと近所を見ただけで可哀そうな犬など目にする。ずっと散歩にも連れて行ってもらえず、毛が抜け変わっているのに、誰もとってあげず、抜け毛をごっそり背負い、日々半径1mくらいの範囲に鎖でつながれ、ただただ寝る、食べるだけの生涯を送る犬。
これってりっぱな動物虐待だ。
犬を飼っている飼い主には、愛情はないのか? 人間性を疑う。
虫なんかでも、ちょっと古いが「虫王」のような悪趣味な商業ビデオなど、命あるものの扱いがあまりにも軽くなっていると感じる。
もっともこれに関してはかなり批判がいったようだが・・・当たり前か。
ちょっと話はそれたが、今回の事件に勝るとも劣らない凄惨な事件が頻発している。
こういった「鬼畜」に対し、もっと厳罰化してほしいのは勿論だが、それ以前に、社会全体で
人だけでなく命あるものを大切にする風潮がもっと出てほしいと思う。