−ローストビーフ丼を食べよう−

その一文は私の摂食中枢を刺激した。
綺麗に、そして華麗に盛られた白米を
後半の物語を彩る伏線のように隠す上質な十数枚のローストビーフ。

人類が火を使い、獲物を焼いて食すことを覚えてから50万年以上。
そんな進化をあえて無視し、ほぼ生のまま食物を舌に乗せる文化が日本にはある。

人間として、そして雄として肉を食べる喜び、幸せをローストビーフ丼という仲介人を通して改めて実感する。


人間とは不思議なもので、豊かで便利な生活を夢見てきたはずなのに、いざそれらを手に入れると、あえて歩いて移動してみたり、キャンプ等でその不便さを楽しんだりする。

持っていないモノを欲しがるのが人間である。だから男は女を求め、女は男を求める。
しかし、異性を求めない人間がいる。
同性愛者や両性愛者である。

私は彼らを動物の本能に縛られない、
「自由の民」と呼んでいる。

自由の民への憧れや尊敬の念をローストビーフ丼から再確認することとなった。