シェフの気まぐれコーヒー
そんな風に日記を書いたのか、シェフがそう言ったのか定かではないが、
カフェオレを作りながらふと昔飲んだとびきり美味しかったその珈琲を思い出した。
とても美味しくて何を入れているのか聞いた記憶があった。
チョコレートと少しの蜂蜜。
シェフはそう言った気がする。
その日記を探したくて久しぶりにここに来た。
探しだすことは出来なかったけど、いくつかの日記を開きながらレシピを思い出す私。
さっき作ったカフェオレにはチョコレートシロップを少し入れた。
どこかシェフのそれに近い味わいなことに懐かしくなったのです。
食べたくても食べられない食事がある。
お気に入りのお店がなくなってしまうことは、その食事をいただけないだけでなく
そこでの思い出の数だけ残念な気持ちが募るのかもしれません。

