story5 見ちゃったんだ・・・ | りょうの一期一会

りょうの一期一会

ifs(イフス)連載中


story 5   見ちゃったんだ・・・


 






一護(だ、だめ!!楓!!)










(あの子と付き合ったらダメ!!)














一護はどうしてそう思ったかは解らずにいた・・・




しかし・・・




うっすらとだけ見えた楓の落胆している姿・・・




それが、一護の頭から離れない・・・




直感で感じた、あの悪い予感!!




なぜか武者震いが止まらずにただ前を見ているだけだった・・・。














その頃・・・











楓は・・・













「あーどいつもこいつも!!」

(何か最近、変な感じやなー)

(これも恋のせい!?)

(しかし、最近の一護はどうしちまったんだろう・・)

(笑顔がなくなったていうか・・・ちょっとおかしいな・・)

(後で一護の家、寄ってみるかな)













拓也は・・・






D.A













カウンター越しに英二と拓也が会話をしている・・・




英二「拓也ーお前、最近どうなんだ。」

拓也「えっ、あーいつもと変わらないよ!」

「まーお前は俺と違って頭だけはいいもんなー!」

「それはどういう事!?」

「いや、いや、今の世の中まだまだ学歴が物を言う世界だから、大学ぐらいはでとけよ!」

「そんな事言われなくてもちゃんと行きます!!」

「俺みたいに高校でてすぐ就職、でもってそれも続かず・・・」

「まーオーナーに気に入ってもらって何とかこの店やってるけど、こうも不景気じゃなー・・・」



長々と英二の独り言がつづく・・・






「そう言えばこの前、楓が来てた時何か女の話してたろ!!」

「なんだ!?惚れた女でもできたのか!?」

「そうなんだよ、兄貴には内緒にしといてくれって言われてるんだけど・・」

「アイツ今回はマジみたいだからさー」


「ほーそれで、その女はいい女なのか?」

「いやー・・それがさー楓の前では言えないんだけどあまり良い噂、聞いたことないんだよねー」

「はっ?なんだ!?お前どうしてその事言ってあげないねん!!」

「いやー今回だけはアイツマジっぽいから・・・」

「まーいつもツンとしてて、何考えてるか分からない所が有るって言うか・・・」


「可愛いから僻みがあるんじゃないの!?」

「まー本当かどうかも解らないし・・・」

















その頃、楓は一護の家へ・・・








ピンポーン








「・・・」









ピンポーン














一護の母「はい!」

インターホン越しに一護のお母さんがでる。





「あ、おばちゃん!?」

「楓ちゃん?」

「あ、はい、そうです。一護、帰ってますか?」

「いやーまだ帰ってないんだけど・・」

「あーそうですか・・・じゃ」






楓の言葉を遮るようにお母さんが楓に尋ねる。






「あーそう、そう」

「楓ちゃん!最近一護、何かあったんかなぁー」







「えっ!!」







「いやねー昨日帰ってきたと思ったら、夜ご飯も要らないって言って・・・」

「そのまま部屋から出てこなかったんだけど・・・」

「まー今日も学校にはちゃんと行ったみたいだから心配は要らないと思うけど・・」




(いったいどうしちまったんだ!)



「いやーそんな心配する事ないですよー」

「相変わらず学校では元気ですからー」


「あーそうーそれなら良いんだけど・・」


「あー大丈夫ですよー!」


「じゃ僕はこの辺で・・・」

「また遊びに来てね!一護は楓ちゃんだけが頼りなんだから!

「解りました!また来ます。それでは!」

「何かおかしな事があったら教えてね!!」

「あ、は、はい。」












(しかし、一護・・・何やってんだ!!

(でもアイツが考え事をするっていったらいつものあそこしかないな!!

(ちょっくらいってみるか!)




















「おっ!!」





「いたいた!!やっぱりここか!」










一護がいつも一人で居る場所とは・・・






家の近くにある河川敷である。

いつも嫌なことがあるとここで川の流れをずっと見ている。












「一護!!」









一護「んっ!」




一護が振り返る







「やっぱここに居たか!!」


「お前、お母さんが心配してたぞ!!」








「・・・」








「昨日帰って来たとたん部屋に閉じこもって、飯も食わなかったらしいじゃないか!」








「・・・」








「お前、何かあったんか?」









「・・・」














おい!何とか言えよ!!」















「やめた方がいいよ・・・」













「はっ!?」















「本上さんと付き合うのやめた方が良いよ!!」
















あん!!何言い出すんだいきなり!!」




















「だから止めた方がいいって!!」












「お前何、訳の解かんねー事言ってんだよ!!」



「だいたいまだ、萌子と付き合ってもいねーのに!」












「付き合うことになるよ!!僕解るんだ!!」


「はっ!!お前大丈夫か!!」







「明日、本上さんに告白される・・・」


「見ちゃったんだ・・」












「はあ!?見たってお前、明日の事なんてどうやって見るんだよ!!」










「止めた方がいい・・・」

「楓がダメになる・・・」














「お前いい加減にしろよ!!」


「マジで切れるぞ!!」




楓が一護の胸倉を掴む。













「見ちゃったんだ・・・」













「見ちゃったんだ・・・」












そう言ってる一護の目からは涙がこぼれ落ちる・・・












「見ちゃったんだ・・・」












「お、おい・・・」












ぐすん・・・ぐすん・・・












「菅野さんが・・・」

























「佐々木君とキスしてるところを!!」






そう言って一護は泣き崩れる。