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stockracerの雑記録

株・競馬から、スポーツ・時事問題まで。ジャンルに拘らず、ブログならではの自由な切り口で、何でも好き勝手に書いてしまおう!

 ロンドンオリンピックが閉幕し、選手団も帰国する頃になって、ようやく総集編や、録画しておいた競技を見ることができたので、オタク的感想を書いてみたい。

 先ずは、不振を極めた柔道に触れない訳には行かないだろう。日本柔道の凋落に関しては、専門家のコメントや各種記事で様々なことが語られているが、ある新聞記事に掲載されていた、今大会の男子柔道で金メダルを取った国の指導者のコメントが、問題点を端的に指摘している。

 韓国のあるコーチは、日本はもやはライバルではないといい、日本人選手のスタミナ不足を指摘した。ロシアのあるコーチは、日本人選手は、戦術面で研究不足なのではないかと指摘している。言い得て妙というか、痛いところをずばりと突かれたような感がある。

 柔道のルールは、しっかりと組み合って、一本を取る柔道を標榜する日本の主張を取り入れて、もろ手狩りなどの足を取る業を禁止し、以前は4段階に分かれていた技の評価も、最低ランクの効果を廃止して、有効以上しか認めないように改定が行なわれてきた。又、時間稼ぎの(業の)掛け逃げについても、以前より厳しく指導を取っていくようになった。教育的指導は既に廃止されている為、指導2回で初めて有効と同等のポイントが相手に与えられる事になり、技のポイントで相手を上回らない限り、なかなか決着がつかない状況になっている。以前なら、5分間の試合時間でポイントの優劣がつかない場合は、その時点で、主審と副審2人の旗判定で、決着をつけたのだが、現在は、ポイントの差がない場合は、3分間の延長に入ることになっており、先に有効以上のポイントを得た選手が勝つというルールに改定されている。延長3分間と合わせて、8分間戦っても優劣がつかない場合に限り、旗判定が行なわれるのだ。これは、体力的には非常にきつい。主審の、「待て」がかかってから、次に、「始め」で試合が再開されるまでは、時計は止まっているわけだから、正味8分間動きづめになる。これを、1回戦から決勝まで最大で、5~6試合を一日でこなさなければメダルには届かないのだから、持久力のない選手では勝負にならない。種目を問わず、フィジカル面では定評のある韓国が、復活の金メダル2個を獲得したのも、頷ける。その韓国人コーチに、体力のなさを指摘されている時点で、負けているようなものだ。日本人選手が、急速に世界で通用しなくなってきたのは、これらのルール改正への対応が遅れているからに他ならない。ロシア人コーチが指摘した戦略のなさとは、相手選手を研究して対策を練ることだけでなく、このルール改正による戦い方の変化に、日本人選手が適応していないことを指しているのだろう。空手の型ではないのだから、勝つ気があるのなら、日本柔道への誤った拘りを捨て、外国人コーチを招くのも良いのではないか。その位思い切ったてこ入れが必要なところまできているように見える。

 それにも拘らず、未だに日本の男子柔道は金メダルを取ることが至上命令であり、たとえメダルを獲得しても、金以外は敗北者であるとの考え方が支配しているのはどうしたことか?上記のように、以前と比べて力の落ちている代表選手に、監督コーチ以下、歴代の名選手?らの御歴歴が、相も変わらず金メダルを取れとプレッシャーを掛けたのでは、若い選手は萎縮してしまって、持っている力すら出し切ることはできないだろう。なぜ、もっとのびのびとやらせてあげないのか?実力を出せずに、事前の予想以上に早く敗退し、関係者やマスコミに頭を下げる姿は痛々しい限りで、そこには自信の欠片もなく、オリンピック選手となった誇りも見えなかった。

 この結果は、北京オリンピックの100kg超級の金メダリストである、石井慧選手を、日本の柔道界に引き止めることができなかった時点で予想できたことだ。金メダルを取っても、当たり前のような評価しかされず、次世代のエースとなるはずだった、彼のやんちゃで少し変わったキャラクターを、柔道界のお偉いさん達は受け入れようとしなかったのだから。彼は、リオデジャネイロオリンピックでは、アメリカ代表として出場し、金メダルを取ると公言しているらしい。彼なら、可能性はあると思う。

 どんな競技でも、統括する組織がしっかりしていなくては、所属する選手の好成績は望めない。選手にはプレッシャーをかけるくせに、組織として十分に機能していないから、2大会連続金メダルを取った後、指導者になった人物(実名は伏せる)が、性犯罪を犯したり、歴代選手でもトップレベルの実績を残してはいるが、現在は柔道界を出て、国会議員に転進している人物が、金メダルを期待されながら敗退し、ショックを受けている選手に追い討ちをかけるような発言をするといったことが起こるのだ。この、谷亮子氏の発言は、惨敗した女子マラソンの選手の練習方法に苦言を呈した、高橋尚子氏の発言とは分けて考えなければならない。高橋氏は、引退した後も、陸上競技の普及に尽力し、テレビ中継では解説者を務めるなど、内部の関係者としての発言。一方谷氏は、現在は部外者であり、その発言内容が、自分が出場していたら云々とか、この選手のライバル選手が出た方が良かったという内容であり、元一流の柔道家としては、著しく配慮に欠ける発言だといえる。

 ロンドンオリンピックの結果を受けての、全日本柔道連盟の対応で一番おかしいと思うのは、なぜ篠原信一監督を解任しないのかということ。解任どころか、既に続投の方針が固まっているというのは、奇妙としか言いようがない。巷では、山下泰裕氏にもう一度日本柔道を立て直してほしいとの空気がある。山下氏は、全柔連の理事でもあり、なぜ実現しないのか不思議だ。ここからは僕の勝手な想像だが、出身大学による派閥争いがあるのではないか?篠原監督は天理大、山下氏は東海大、因みに、全柔連の現・会長の上村春樹氏は明治大、石井選手と同様に、柔道界を出た小川直也氏も明治大、その石井慧選手は国士舘大出身だ。少々穿ち過ぎかもしれないが、人事を含めた組織内部のごたごたを収めた上で、金メダル至上主義と、日本柔道への誤った拘りを捨てない限り、男子柔道の復活は不可能だろう。組織が変わらなければ、リオでも金メダルゼロになるだろう。

 では、また。