世界的な人口爆発記事を書いたついでに、世界の大都市人口についても少し触れることにしました。
最近は毎回こんな記事ばかり書いていて、いいのだろうかと思いつつ、まだ続けている自分。読者離れがますます進まないだろうか?(汗)
昨今の経済グローバル化の進展に伴い、都市も膨張を続けています。
国連によると、2030年の世界人口は約80億人にまで増え、その60%は都市に暮らすようになると予測されています。
わが国では、人口減少社会のなかで進む東京への一極集中。東京圏、大阪圏、名古屋圏という三大都市圏で、いまも圏域全体で人口が増え続けているのは東京圏だけです。
東京への人口集中が最も激しかったのは、1960年代の高度経済成長期です。
当時は、東京への転入超過数は毎年30万人台を超え、周辺の神奈川県、埼玉県、千葉県などではそうした人々が暮らすベッドタウンの開発が進みました。
地理学でいう東京圏とは、隣接するこれらの地域を含む都市域全体を指す言葉です。
それで比較すると、東京圏の人口は約3600万人で、世界的に見てもニューヨーク都市圏などをはるかに凌ぐダントツでトップの都市圏が形成されています。
いま日本は人口減少社会に入り、多くの道府県が減少しているなかで、東京圏だけは人口集中が今なお続いています。
ただ、将来的には、10年後か15年後くらいにはピークになるだろうと予測されています。
ところで、近年のグローバル化の進展によって人の移動が加速され、特に発展途上国や新興国で激しくなっています。
ヨーロッパやアメリカでは、100年あるいは200年といった長い時間をかけて、現在のパリやニューヨークといった都市を形作ってきました。
そして日本でも現在のような東京を作るのには、50年ほどかかりました。
しかし、いま中国や新興国などでは、それと同じことをわずか10年、20年で成し遂げようとしています。
特に、最近になって急激に増加している都市圏としてバングラデシュのダッカやナイジェリアのラゴス等があります。
学校の授業で習っていた頃はほとんど目立たない都市でした。
それが今では1000万人を超えています。
バングラデシュやナイジェリアは、いつの間にか、あっという間に日本の人口を追い抜き、今もなお人口が急激に増加している国です。
下に示す人口推移は、国連統計局によるダッカ、ラゴスの都市的集積地域の人口を、東京大都市圏と比較したものです。
1950年 1970年 2010年 2025年
東 京 1128万人 2330万人 3667万人 3709万人
ダッカ 34万人 137万人 1465万人 2094万人
ラゴス 33万人 141万人 1058万人 1581万人
東京圏の人口と比べると、ダッカとラゴスの急激な人口の伸びはあまりにも大きすぎて想像もつきません。
ダッカ、ラゴスともに60年前は30万人程度だったのが、今では1千万人を超えています。
日本の大都市で、この時期に急激に人口が増えたところといえば札幌です。
1950年に31万人だった人口が、2010年には191万人まで増えています。
しかし、上の2都市は、これをはるかに上回る勢いで増え続け、これからも増えていくと予測されています。
人々が住み暮らす都市として必要なインフラ整備はどうなっているのだろうか。
どう考えても追い着くはずがないことは想像がつきます。
無計画のままに増えたものと思われますが、ここまで増える前になんとか抑制することができなかったものかと思ってしまいます。