会社を守る労務管理の専門家
北千住の特定社労士 古谷です。
以前にも書きましたが、
最近の労災事故の傾向として、
過重労働による脳・心臓疾患や、
うつ病等の精神障害などの
疾病型の労働災害が増加しています。
そんな背景を受けて、
最近は、労働基準監督署長等に対する行政取消訴訟と、
企業に対する民事損害賠償請求も急増しています。
結果として、被災者側の圧倒的勝訴が大半を占めます。
そして、その内容としての損害賠償額ですが、
前回書きましたが、昨年2月の鹿児島地裁の判決のような、
1億9400万円という高額な損害賠償額が認定されるケースも
増えています。
ここ数年間でも、5000万円を超えるケースもかなりあり、
このようなケースでは、労災保険との差額が大きくなり、
企業側の負担額(労災差額リスク)も大きくなります。
企業経営にとって大きなダメージを受ける結果になります。
他に最近の事例を2つほどご紹介させていただきます。
事例
◆S事件 (H20.9.17 名古屋地裁) ◆
薬剤師として勤務していた被災労働者が(労働時間の発症直前
1ヶ月は310時間で、休日2日という過重労働)、
就寝中に致死性不整脈を発症して死亡した。
使用者の安全配慮義務を認めたうえ、
総額8698万円の賠償責任を認定した。
事例
◆J事件 (H20.12.8 東京地裁) ◆
自動車メーカー向システム開発を行っていた被災労働者が、
長時間労働となり体調を崩す。
抑うつ神経症と診断され、
自宅療養し約4ヶ月後に職場復帰したが、
職場復帰後1ヶ月後に自殺した。
3割の過失相殺が認められたが賠償金額は7940万円認定。
次回以降は、このような労務リスクに対する対策につき、
書かせていただきます。
オフィス・フルヤ 所長 古谷光市
特定社会保険労務士、行政書士、CFP
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