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社会保険労務士(駆け出し)日記

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 今年、社会保険労務士試験合格を目指す受験生にとっては、まとまった時間がとれる貴重な年末年始だったと思いますが、この時期に試験日までのスケジュールを再確認しておくことも重要なカギになるかと思います。試験日までのスケジュール(プロセス)は人それぞれで、画一的なものはありませんが、一昨年、小欄が経験したことを紹介させて頂き、微力ながら受験生の一助になればと思います。


 改めて振り返ってみると… 試験日までの数カ月間。合格ラインに乗せるためのプランを立てるのと同時に、いくつかのチェックポイントを設けて確実に実行していったことが合格に結びついたように思います。多くの受験生は、専門学校(会社)が発行した社労士講座のテキストを利用していると思いますが、情報量は合格するのに十分なものに編制されているはずです。終盤に入ると不安な気持ちに駈られるのは十分察しますが、深く突っ込んだぶ厚い専門書を新たに購入したり、大幅な計画変更は必ずしも良い結果に結びつきません。過去問を見ても分かるように出題される内容は基本的なものが中心です。若干の応用力を問う問題も基本的なことがちゃんと理解できていたなら、持っている知識を総動員して正答を導き出すことも可能だと思います。専門性の高い問題は正答率も低いので深追いするに及びません。試験日までは限られた時間しかないので、そんなときこそ基本テキストを精読することをお勧めします。
 小欄が受験生のときは…近年、出題頻度が増した「労働基準法の判例」が気になっていましたが、試験後に専門書を購入してゆっくり愛読しています。中には、過去に出題されたものもありますが、裁判所がくだす判旨は、とても良くまとまったものです。出題されたときは、内容が自然か不自然かで正誤の判断もできますから、基本テキストにある判例から法律の主旨を理解し感性を磨くことが大切だと思います。



 先にも書いたように、合格までのプロセスに画一的なものはありません。参考にならないかも知れませんが…僭越ながら小欄が経験したことを一例として紹介します。あまり勉強した記憶もないぐらいなので当然ですが、学生時代の成績は良くなかったです。その後、20代中半過ぎに国家公務員を目指すも2年連続で不合格し敢えなく挫折。勉強すべきときに勉強しなかった反動でしょうか…この歳になって、社会に貢献できるような専門性の高い(公的な)資格を取りたいと強く思うようになり「社会保険労務士試験 合格」を目指す決意をしました。(今現在もですが…)このご時世で残業こそありませんが、月曜から金曜はサラリーマンとして勤務しています。職種は組織内のIT管理部門でシステム企画や開発、及び運営を行っていて、社労士の試験科目とは縁の無い業務です。自分のペースで学習を進められる通信教育も魅力でしたが、一人で学習するほど心が強くないので、就業場所にほど近い大原水道橋校の通学コースに入学したのが11月。平日の勤務を終えたら、ズッシリ重たいカバンを手にそそくさと学校へ向かい、自習室で過ごすのが日課。(毎日のように学校にいたせいでしょうか?大原の専任講師と間違えられることも、しばしば…)帰宅は11時頃で、遅い夕飯を済ませて明日に備える毎日でした。往復の通勤時(その他の移動時も)、電車の中ではひたすら過去問を解いていました。一般的にはうるさい場所とされる車中は、意外と集中力が持続したりします。土曜は休息日と決めて勉強はしませんでした。のんびり過ごして頭がスッキリした日曜の午前と午後は社労士講座を受講。…そして、夜は爆睡。



・11月から4月中旬(択一中心で基礎固め)

初回のテキスト読みは、全体像を捉えるようにして細かい部分は気にしていませんでした。それより、択一問題を多めにこなして、論点になっている箇所は周辺部分を含めてテキストの部分読みをすることで理解を深めていきました。択一対策を中心に据えることで 、理解出来ていないところや、誤って認識している部分が浮き彫りになって効果的です。科目毎に行われる定例試験は70点を目標に学習を進めて、得点できなかった箇所や理解が曖昧な部分は暗記するほどに見直しを行っていました。最初はただの暗記であっても、周辺科目の学習が進むに連れて徐々に理解できるようになっていきます。試験科目は大別すると労働科目と社会科目。別々の科目として捉えられがちですが、互いに補完しあう制度で一体であることが視えてきたなら、理解が深まってきた証です。


・4月中旬から5月中旬(基本テキスト精読)

通学コースの基礎講座も終盤に差しかかった頃…。学習を始めて半年ほどですが、前に学習したことが薄れ始めているので改めてテキストの読み込み。また、択一対策に集中していたために抜け落ちた(論点にならなかった)知識を補うため、じっくり丁寧にテキストを読み込みました。ある程度ゆっくりした時間を割けるのは、ゴールデンウィークを挟んだこの時期が最後です。


・5月中旬から(各科目の横断対策)

この時期からは、科目ごとの学習は止め「労働科目」と「社会科目」。そして全ての科目をミックスした「社労士科目」として学習を進めるように心掛けていました。類似項目の区別が出来てないことは早い段階で認識していたので、「横断対策」の択一問題集を計画的に入手。間違えやすい問題を繰り返し解きました。横断対策をするのは、単一科目の理解がある程度出来たうえで行わないと混乱するだけで逆効果です。「横断対策」は得点力アップに欠かせないので、通常講義の他にオプション講座があったなら任意ではなく必須だと思いました。
余談ですが…この頃から、胃痛や胸焼けの症状が出始め…。つい最近まで、今までに経験したことがない程の苦しい時期を過ごしていました。(飲み過ぎでないことは確かだったようです。)


・5月下旬(第1回目の全国公開模試)

この時期の模擬試験であっても、当然に本試験を想定しているため、思ったほど得点できず「むずかしい」印象が残りました。が、模擬試験は大きな会場の場慣れと時間配分の確認。基礎知識の確認とその年の傾向を捉えるためのものです。ミスしたからと言って凹む必要はありません。同じミスを繰り返さないように必ずフォローしておくことが大切です。5月に全国公開模試を実施する学校は多くないと思いますが、「少し前倒し」ぐらいなスケジュールを立てておく方が、終盤での調整が容易です。やるべきことは日に日に多くなっていくので、先送りは禁物です。ちなみに、この時期の模擬試験は「IDE社労士塾」。


・6月上旬から(選択対策と弱点克服)

今まで選択対策に手が回らなかった…のが正直なところですが、この時期から選択対策を開始。本試験の予想問題的な抜粋版ではなく、各科目の全項目を網羅したものを集中して解いていました。そもそも選択対策のつもりでしたが、細かな部分の再確認もできて択一用の知識も格段に定着したように思います。…逆に言えば、択一対策が十分にできていたなら、選択式を恐れる必要はありません。また、近年の選択式のうち2問は暗記型ではなく、読解力を問うように思えます。見たこともない題目が出題されることを覚悟して、常識的な法の解釈を前提に文脈を読み解く集中力が要です。苦手科目の攻略は、早めにしておきたいところですが、暗記がメインの労一と統計はこの時期で丁度良かったかも知れません。但し、この時期にボリュームの大きな学習を残すのは、他に影響するので注意が必要です。白書はボリュームがありますが、論点になる項目が絞りやすく、逆に、白書が出たなら「サービス問題」と思えるほどでした。この科目に関しては、食わず嫌いでした。その他、理解が曖昧な項目は、「紙に書く」ことを積極的に行いました。頭の中では分かっているつもりでも、紙に書けないことは意外に多いものです。


・6月下旬(第2回目の全国公開模試)

直前に足首をケガしてパンパンに腫れた足を引きずりながらの受験でした。本試験までの道のりでは、ケガや病気等、想定しないことも起こることを再認識。この頃から睡眠時間も減ってくるので、体調管理にも十分な注意が必要です!


・7月上旬から(改正項目の確認と予想対応)

基礎講座の中で織り込まれていたものなので、目新しいことではありませんが、改正項目は出題頻度が高い項目です。他の受験生も当然のように対応してくるので、取りこぼしが出来ないと思って間違えありません。


・7月下旬(第3回目の全国公開模試)

最後の模擬試験なので、問題を解く順序と時間配分を確認しながら臨みました。自分に合った解き方があるハズなので、本試験でもそのスタイルを変えないことが賢明です。


・8月上旬から(得点力向上)

これから先は新しいことにはチャレンジせず、今まで蓄えた知識を保ち、更に正確性を高めることに集中しました。初めて見る問題ならともかく、何度も目にしている類似項目でミスするのは避けたいです。模擬試験に出題された問題は、近年の傾向や今年の予想も織り込まれいるので、周辺項目も含めての再確認を優先的に行いました。科目毎の定例試験や模擬試験で得られたデータはとっても重要です。考評を参考にしながら本試験を意識した調整で、テキスト、問題集、自作資料等で机の上には大きな山が出来上がっていました。


・本試験1週間前(最終調整)

1週間の有給休暇。パラパラ…とテキストをめくりながら、関連する問題などを思い出してみる。暗記すべき数字は丁寧に確認。…それにしても、自分の家の電話番号も覚えてないのに、社労士試験では覚えなければならない数字が多すぎます。「デザートは別腹」と申しますが、「社労士試験は別脳」なんでしょうか。


・本試験当日…

前日はなかなか寝付けず、うっすらとした意識のまま部屋の中に射し込む朝陽で目を覚ましました。試験会場へは厳選した自作資料と横断対策用テキストを持って出掛けました。会場へ向かう車中、資料を見ていてもそれほど頭に入ってくるわけではありませんが、一生懸命作り上げた資料と何度も何度も読み返したテキストを持っているだけで安心していたように思います。
あとは、最後まで諦めない強い気持ちを胸に…。

とても長く、そして短い一日だったと記憶しています。



 試験日前の1週間は、最終的な確認をひとつひとつしながら頭の中を整理するのと同時に、押し潰されそうなプレッシャーと戦っていたように思います。模擬試験とは違い、平常心で本試験に臨むことは出来ませんでした。当然ですが、今までに経験したこと以上の力を発揮すことも出来ません。おおかた8割程度の力が出せたなら良い方だと思います。ただ、択一試験の長丁場。計画通りの時間配分で回答を導きだすことと、選択試験の文脈から小さな手掛かりを引き出す集中力は最後まで途切らせないで下さい。そうすれば、勝利の女神が微笑んでくれる気がします。
 小欄は、試験終了の間際にひとつひとつの回答を確認したのち、一気にマークシートを塗り潰すのですが、…このとき集中力が切れて、緊張感もほぐれたのか、泣きながらマークシートを塗り潰していたことは、ここだけの話です。正答を選びながらマークミス…と言うのもありがちです。試験管の「止め」の合図を聞くまでは集中力を維持すべきだったと反省しています。
 辛く苦しい時期は長くありません。…と言うか、今まで経験したことがないほどの充実した時期を過ごすことが出来、とても楽しかったような気さえします。受験生の目的は「合格証書」を手にすることです。それまでのスケジュール(プロセス)は実現するための手段にすぎません。やるべきことは多いです。が、目標を失うことなく、ひとつひとつの項目を確実に実行して悔いの無い時間を過ごして頂けるようご検討を祈ります。



《 追 記 》
第43回社会保険労務士試験 合格

(救済対象科目なし)


大原水道橋校の先生方には大変お世話になり感謝しています。

この場をかりて、改めてお礼を申し上げます。
有り難うございました。