ようやく手に入れて読んでいます!
たまTSUKIオーナー高坂さんの「減速して生きる~ダウンシフターズ」。
西荻の本屋さんで、探すこと10分。店員さんも「在庫はあるんですけど・・・」と言いながら、人生本のところやら、エッセイ、実用書コーナー、環境コーナー、いろいろ見てくれるんですが、見当たりません。
そうしたら、経済書のコーナーにありました!
そうですよね、帯に「年収600万円→350万円。なのに手元に残るお金は変わらず。たっぷりの時間で、好きなことして、社会に認められる」と書いてあるんですから・・・。年収なんたら~の本たちと一緒に並ぶわけです。
でも、中身は、そんじょそこらの経済指南本じゃ~、ありません。こだわっているのは、年収、お金ではないから。
目指すべきはその中身、生きていることの実感、自然との共生、地球サイズで物事を考えながら、最小単位の仕事で無理なく生きていく方法・・・など、既成概念や常識にとらわれている現代人の迷いをスコーンとかっ飛ばしてくれます。
この本のいいところは、どこからでも読めるところ。それこそ、自分の立ち位置に合わせて読める本です。
就活で悩んでいる人は、「ビジネスパーソンだったころのパラドックス」の章に、大企業で働くということ、自分のビジョンと会社のビジョン・・・、お金の価値と自分自身の満足・・・など仕事探しをする上で、考えるヒントがたくさんあります。
新たな一歩を踏み出したいと思っている人は「月が沈むとき~旅で得た知識」の章から読んでみると、迷いながらも進んでいくことで、見えてくるいろいろなことものがあること、そして体験から得た知識は、人生を生きる上で力強い武器になることを教えてもらえます。
高坂さんのようにお店を始めたい…と思っている人は、「たった6坪の飲み屋「たまにはTSUKIでも眺めましょう」開店や、「ヒマで繁盛しないのに黒字経営」から読めば、何かを一からスタートするヒント、自分のサイズに合わせた店づくり、無理なく、無駄なくの経営方法など、目から鱗の店舗経営が学べます。
私のようにダウンシフト実践中の方は、最後の「ダウンシフターズ」から読むと、ぶれそうな自分を、励ましてくれるメッセージがたくさん詰まっています。
実際、私は最後の章から読んでいきました。高坂さんを知っていることもあり、ダウンシフトを成功させた彼が次にどんなことを考えているのか、知りたかった・・・というのもあります。
さらにいえば、ダウンシフトを進める中、「私の考えって、受け入れられないのかな~」と弱気になることも多いのですが、「そのままでOK」と背中を押してもらった気分です。
いろんな生き方があるし、いろんな人生の選択がある。
でも、勝ち負けだけにこだわったり、私利私欲に突っ走ったりする時代ではないことは、社会のほころびや変化を見ていれば一目瞭然です。地球環境が猛烈な勢いで壊れかけているのも、認めたくはないけれど、実感する日々です。
そして、ここにきて、隠ぺい、ねつ造、偽装・・・など、経済成長の膿が次々あらわになっていくのが手に取るようにわかります。
ダウンシフトというのは、いわゆる残念な生き方とは違います。都落ちでもありません。
新しい時代に向けた再生への第一歩なのかな~と思います。
アップアップと叫んでいたら、本当にあっぷあっぷとなって、今では溺れそうな人たちがたくさんいるでしょ?
ダウンダウンとステップ踏んでいたら、だんだんだんと楽しく暮らす人が増えきたような気がします。
そんな人たちのことも、この本にはたくさん出てきます。
久々に書くことに刺激を受けた私です。
ライターでありながら、書くことに、この業界に幻滅しっぱなしだった私ですが、やっぱり自分の足元から何かを発信することはすごく大切なことだと思い知りました。
マイナリティはマイナリティのまま、メジャーにならなくてもいいと思います。
サブカルはサブカルのままが面白い。
大きなことを語らなくても、身近な人と目を見つめ合って話しができれば、ゆるぎない自信につながっていきます。
ちょっと弱気になってた私ですが、元気をいっぱいもらえました!
人とつながるって楽しいね!そんな気持ちにもなれましたよ!