ここ数日、めまいと下痢が続いている。やはり想像以上にハードで、めまぐるしい日々だったんだろうな~とふらふらした頭を抱えながら振り返る。



SMAPの万博コンサートが直前中止となり、俄然注目を集めた、上海万博のジャパンウィーク。


それまでは、上海万博にまったく興味がなかった人も、万博でSMAPのコンサートが開かれる・・・と知って、関心を持った人も少なくないはず。


その同時期に、同じく上海万博のジャパンウィーク公式イベントとして認可された「上海日本映画週間」


この映画祭の主宰者である耿 忠(コウチュウ) さんが、日本と中国の友好に役立つために、女優という立場を活かして、日中の交流を映画祭として始めたのが2006年。その後、上海、北京、東京で、何度か開催されてきた。

日本の映画が正式に20本しか上映されない中国において、今の日本を伝える映画を数多く、見てもらいたい・・・と今回も奔走した彼女。


一人のエネルギーでこれだけの大きな映画祭を開いてしまえるのか・・・と思うほど、何度も頓挫したくなるような出来事が次々起こるのだけど、彼女は不死鳥のように、立ち上がって、また走り出してしまう・・・。このタフさが、中国人なのかな~と思うほど。



彼女と知り合ったとき、彼女が南京出身と聞いて、最初、胸を痛めた。南京と日本の関係は、今では、多くの若者が関心を持たないけれど、私の10代~20代の始め頃には、ドキュメンタリーや本で目にする機械も多く、そのためか、今でも「南京」という言葉は、私に重くのしかかる。


それでも、争いが憎しみが怒りが、怨念が何も生まないことを時代の流れの中で知り、日本への留学を機に、お互いの国にあるわだかまりを、国境、人種を越える映画という文化で、解き放ちたいと考えたのだろう彼女の周りには、多くの支援者が集まってくる。


本質ではわかりあえないかもしれないけれど、お互いを認め合おうという気持ちさえあれば、伝わるものが必ずある・・・と、今回の映画祭を通じて改めて認識できたのも大きな収穫。


今回の映画祭を手伝ってくれた中国人の学生たちが、キラキラした目で、日本のことを聞き、祖父母に反対されたといいながら、孫の日本への思いを受け入れ、応援してくれている・・・と聞いた時には、涙がこぼれそうになった。


憎しみからは何も生まれない。新しい世代がつなぐものは、憎しみではなく、理解そして、友愛(を語った元総理も上海国際映画祭には来ていました)なのかもしれない。


改めてそんなことに気づかせてくれた彼女と、中国人の学生スタッフたちの真摯な姿に、また一つ活力をもらった。


歴史観は人それぞれだけど、過去を知って、今を知ることの大切さは、人としての深みにつながるな~と思う。


同じスタッフとして働いた日本の若者が、やっぱりチャラ男にしか見えないのは、本当の意味で、生きることの深さ、負の面を背負っていないからじゃないかな~と思ったりもする。


それは、教育のせいなのか、社会のせいなのか、わからないけれどね。



今回の映画祭にゲストとして来てくれた、常盤貴子さん、市原隼人さん、高良健吾さんなど、今の日本を代表する若手俳優陣と滝田洋二郎監督をはじめ、国本雅広監督、沖田修一監督、三城真一監督たちの映画が、今の日本の姿をリアルに映し出し、多くの中国の人々に今の日本を知るきっかけになってもらえたらと願わずにはいられない。



kurodaが行く


日本からもマスコミが多数、訪中。その記事の一つがコチラ


また、秋には、東京国際映画祭の中の中国映画週間を開催する予定もある。


映画好き、中国好きは、ぜひ要チェックを!